水薦刈る（みこもかる）

【梗概】
江戸の商家で下女奉公していたお藤は、色恋沙汰に巻き込まれて職を失う。一方、若い娘達の間で『見聞男女録』という公家物の御伽草子が流行り出す。だが、その本には陰謀めいた秘密が隠されているようで……

【登場人物】
藤……信濃國松代の山村の出。大きな目の器量持ち(美人)。
池田重太郎……北町奉行所の定町廻り同心。亡き父は無類の本狂いで、その蔵書が今も家の離れに残されている。
美代……重太郎の妻。
深一郎……重太郎とお美代の一人息子。北町奉行所の同心並。
次郎(小者)、卯助(中間)、長助(小者)……重太郎の供回り。

染七……艶本専門の潜りの貸本屋。
半次郎……藍商の信濃屋の番頭。お藤の請人(保証人)。
嶋田屋當右衛門……京橋の古本屋の隠居。重太郎の父と懇意であった。

吉井……北町奉行所…続きを読む