概要
幸せの先に死が待っていたとしても
「私が死ねるようになるまで、手伝ってくれないかな?」
この一言から、俺と御子柴の夏は始まった。
淡々と死んだように流れていくだけだった時間、そんな止まっていたも同然な俺の現実が「死にたい」という彼女の発言をを起点に段々と意味を成していく。
死にたいと提案されて、生き生きするなんて
まるで皮肉そのものだ。
俺は彼女を殺せるだろうか?
ちゃんと、きちんと、普通に。人を殺せるだろうか?
正しく彼女を救えるだろうか?
「幸せの先に死が待っていたとしても、それは幸せを手に入れてはいけない理由にはなるまい」
1つ気づけていたなら、未来はもっと違っただろう、そう俺は思う。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!都議会議員もこれには思わず「早く結婚した方がいいんじゃないか」
もはや「ツンデレ」という言葉の定義自体があやふやになった昨今ではあるが、仮に「か、勘違いしないでよね! 別にあなたのためにしたわけじゃないんだから!!」系のツンデレを例に取り上げると、こんなヒロインは鈍感主人公にとっては恐怖以外の何物でもない。何かあるとすーぐ暴言絶対吐くマシーンと化し、その姿はヒステリーそのもの。
しかし、では何故そんなツンデレヒロインが一時期一世を風靡したのかというと、何もそういったヒロインの出てくる作品は必ずしも主人公に感情移入させることを目的としてはいないからである。物語を俯瞰する、半ば神のような視点を持つ読者は「あーこのヒロインはまあ毎度主人公を影から支えているのに…続きを読む