ボトルの名は「少年少女」

ささやかで短い短編集ですが、一つ一つのお話が具体的で頭の中に風景が広がるようでした。
爽やかでノスタルジックな雰囲気がとてもいいですね。
会話も雰囲気だけじゃなくて内容がありました。それと、言葉選びのセンスがあって羨ましい限りです。

２話目のオヤジのハサミが好みでした。

自分は同じような体験はしたことないけれど、なんか伝わるものがあり、自分の中の他の心象風景が浮かびました。　

そうか。あのときぶっきらぼうに言ったのはそういうことだったのね。と可笑しくもあり、寂しくもあり。
と思い出した。

帰ったら切ってもらおう……。

無口で不器用なお父さんと娘の微笑ましいやり取りがとても良かった。
お父さんが新しく梳き鋏を買ってきたシーンは口元が緩んだ。
髪を切ってくれるおはなしはお母さんの印象があったが、お父さんが髪を切ってくれるというのは新鮮で良かった。

　個人的に雨の日が好きということもあり、雰囲気も私好みでした。

　学生時代を思い起こさせ、ノスタルジックな気持ちにさせてくれる。そんな優しい作品です。

　青春ってやっぱり良いものですね。

　
　
　
　

とても読みやすく、読了感も清々しかったです！
いいなぁ、青春！