カクヨムというサイトが見えていない最強の敵

恋人の浮気を疑ったとしよう。
それが真実ならば「やっぱり」と思うだろう。
疑い始めると、以前だったら気にもかけなかったような些細なことでも「やっぱり」に結びつけようとしてしまう。その結果として、いらぬ誤解を招いたり、実際には浮気などしていなくても破局に向かうこともある。

この「やっぱり」とは何か？

人間はそこで、疑うという行為にかかったコストを回収しようとするのだ。「やっぱり」とは、「疑ったコストを回収できたぞ！」という達成感に他ならない。

この人間にある「回収する本能」とは恐ろしいことに、小説を執筆するという多大なコストをかける行為にも働いているのである。