書籍化狙いガチ勢の方に、オススメで比較的安全な動画の作り方

 ここでいう「比較的安全」というのは「カクヨムの利用規約に引っかからず、かつ書籍化をしても問題になりにくい」という意味です。

 といっても、自分自身が書籍化とは真逆の位置にいるので、あまり重く捉えずに「こんな意見もあるんだなぁ」くらいに留めておいて下さい。


 まず、一番安全な動画は「ゆっくり(棒読みちゃん・softalk等を通じたAquesTalk音源)に文章だけを朗読してもらう字幕動画」です。

 ニコニコ動画など、無料で動画を発表できる場で、ゆっくり(AquesTalk音源)に朗読してもらうだけなら特に問題はありません。


 しかし、これでは「動画として再生数が伸びにくい」というデメリットがあります。作業用BGMとして聞く方がいないこともありませんが、やはり動画として見られるように工夫したほうが伸びやすくなります。

 特に、ニコニコ動画の場合は「コメントの新しい順」で検索結果が表示されることも多いので、コメントを打ちたくなるような動画が有利です。


 それなら、いわゆる「ゆっくり霊夢・ゆっくり魔理沙」といったキャラ素材を立ち絵として使うのはどうか、ということですが、それは書籍化ガチ狙いだと不利になるのではないか、と個人的には考えています。


 ゆっくり霊夢等の「ゆっくり『東方キャラクター名』」は、いわゆる東方というシューティングゲームの派生キャラクターであり、二次創作です。

 もはや、東方の原作とはかけ離れたアバターのような存在と化している部分も大きいですが、根本的な成り立ち自体を否定することは出来ません。


 カクヨムが「どんな手を使ってもニコニコ動画から読者を引っ張れ!」と考えているなら別ですが、カドカワのお眼鏡にかなったときに「二次創作キャラクターによる動画で得た評価で商業誌に掲載するのはどうか」という問題でストップがかかる可能性もなくはないと考えています。


 某ゆっくりTRPG動画が商業誌でコミカライズされるという異例中の珍事もありましたが、それを目指すのは、なかなか困難です。

 いろいろと物議を醸し、騒動となったので積極的に真似しようとするのはオススメ出来ません。


 ここで「なんで『ゆっくり霊夢』はダメで『ゆっくり(AquesTalk)』は良いの? 」と疑問が思い浮かぶ方が多いと思います。

 実は、某動画で「ゆっくり霊夢・ゆっくり魔理沙」に「AquesTalkの女性1・女性2」で声の吹き替えをしたことにより「softalkや棒読みちゃんから出力されるAquesTalk音源は『ゆっくりボイス』と呼ばれている」という認識が広まったのは全ての始まりです。


 通称ゆっくりと呼ばれているだけで、softalk・棒読みちゃんから出力されているAquesTalk音源は、東方とは全く関係ありません。


 だからこそ「ゆっくり霊夢・ゆっくり魔理沙は東方派生キャラクター」ではあるものの「softalk・棒読みちゃんを通してAquesTalkを動画で喋らせることは問題ない(商用利用は別のライセンスが必要)」という現状があります。

 この辺の一次創作と二次創作の話は、とてもややこしいですね。


 ちなみに、二次創作自体はグレーゾーンと言われていますが、東方においては「当サークルでは同人で慣例的な手段(ホームページ上で公開、即売会や同人ショップの委託販売等)と内容(漫画、小説、ゲーム、CG、グッズ、コスプレ等)であるならば、許諾、提出、報告等を行わなくとも自由に使用して構わない事にしています。」とされています。


 詳しくは、引用元である「上海アリス幻樂団創作物の二次創作・使用関連ページ http://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/1736/t-081-2.html」をご覧下さい。

 ちなみに、前回も書きましたが、公式で二次創作の許可が出ていても、カクヨムで許可の出ていない原作の二次創作小説を書くのはアウトです。


 規約的に「会員は当社が指定する作品タイトルに限り、二次創作作品を当サービス上に投稿することが出来ます。」とのことらしいです。

 ここらへんは、もう少し幅を持たせて「原作で明確なガイドラインがある作品タイトルに至っては、そのガイドラインを厳守することで投稿できます」くらいにゆるめて欲しいと強く願っています。

 

 閑話休題。他にも、書籍化する際に「キャラクターデザインに制限がかかる」というのも見逃せません。動画自体のイメージがついてしまえば、なかなか丸っきり変えるのは困難です。特に「キャラクターデザインを描いた権利者が小説を書いた作者と別人である」というのは、書籍化においての権利関係が厄介なことになります。


 こちらの「イラストとランキングに関して - カクヨムブログ https://kakuyomu.jp/info/entry/2016/02/26/211756」にも「少なくともカクヨムのオープン当初は、イラスト投稿機能は実装しないことを決めました。」と書いてあります。


 これは「書籍化を見越してキャラクターデザインに制限をつけたくない」ということと「作者以外に立ち絵製作者にも権利が別にあることで、権利関係が複雑になることを避ける」という意図があるのではないでしょうか。単なる憶測ではありますが。


 可能であれば「自分で描いた立ち絵を使って朗読動画にする」ということが2番目に安全だと思われます。「キャラクターのデザインの制限がつく」部分はありますが、そもそも作者の描写によって決まるものなので、作者本人が書いた立ち絵であれば特に問題はないのではないでしょうか。


 そして、作者自体が立ち絵・キャラクターデザインの権利を持っていれば、編集者との相談によっては変更も可能です。

 しかし、それは絵を描ける、あるいはMMDモデルを自作できる人間に限った話で、そうでない人間は他の方法を選ばざるを得ません。


 絵が描けない方は、比較的安全な方法として「商用OKなキャラクター名の無い立ち絵フリー素材」を探して動画に使うという方法もあります。

 また「フリーのシルエット素材(影絵)」も、動画として使うと良いのではないでしょうか。


 ニコニコ動画のみに上げる場合は、ニコニ・コモンズ(http://commons.nicovideo.jp/materials/)でシルエット素材を探して動画に使い、コンテンツツリーに登録するという手もあります。


 しかし、ニコニ・コモンズでは「 利用許可範囲: ニコニ・コモンズ対応サイト」という素材も多く、youtubeなどの動画投稿サイトを使いたいケースでは、他の商用OKなフリー素材サイトから拝借したほうが良いと思います。

 そして、動画説明文・アカウント説明文などに、使用した素材サイトとURLを記載することを推奨します。


 ちなみに、自分が選んだオリキャラMMD紙芝居は、普通に書籍化等は不利だと考えています。そもそも、そういうことを全く考えていない上に、いくら秀逸なキャラクターデザインでもストーリー自体が残念ならかすりもしないでしょう。


 書籍化を狙うため、動画化によって知名度を上げたいと考えている場合は、立ち絵等の素材まで深く考えて利用したほうが良いと思います。

 いつか、書籍化狙いガチ勢のためのフリー素材・コモンズ素材の紹介も書ければ良いですね。その場合は画像をつけたほうが分かりやすいので、ブロマガで書いて、こちらにURLを貼る形になる予定です。

 

 次回は、次回は……正直、書くことがなくなってしまいました。

 それでも、まだ本編が書き終わっていないという事実が痛いです。

 少し脱線していますが、次回は「いつか作りたいルート分岐ノベル動画」について書ければ書きます。お時間があれば、そちらもどうぞ。


 そもそも「ゆっくりによる機械音声ではなく、人が朗読した動画のほうが良いんじゃないか?」と考える方は「カクヨムのPVを増やす方法!? https://kakuyomu.jp/works/1177354054880830555/episodes/1177354054880851776」もご覧下さい。


 有利不利を考えれば、ゆっくり朗読のほうが有利ではあります。

 この話を通して、少しでも「ゆっくり朗読動画を作ってみようかな?」と思う方がいれば、とても嬉しいです。是非、気軽に作ってみて下さい。

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