十三不塔

時は幕末。黒船来航は幕府の無力を明らかにし、社会も人心も乱れ江戸の町は犯罪都市となっていた。 徳川幕府は「新徴組」と名付けた剣客集団に、犯罪者を手向かい次第切り捨てる権限を与え、…

　時は二十二世紀目前。気象制御技術は革新的に進歩し、天気は人が自由に決める時代となった。 　あらかじめ国により定められた“今日の天気”の暦――通称「ウェザーカレンダー」は、今や仕…

妖精の棲むイングランド諸島の妖精をほぼ網羅した妖精事典になります。 収録されている妖精の数は76体。イングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、コーンウォール、マン島…

スヌーピーが言った 「配られたカードで勝負するしかない」について、偶にこんなやりとりを聞く。 A「配られたカードで勝負するしかない」 B「でもカードが弱かったら勝ち目ないじゃん…

サトーの机の上には変わった色の写真がある。色が３つしか無いその写真を不思議に思ったホシノがたずねると…

2084年、テクノロジーはついに5分で2時間の映画を鑑賞できる究極のファスト映画〈コードシネマ〉を実現した。 だが、そこには現実と幻想の垣根を崩壊させる恐るべき秘密が隠されていた…

カクヨムコン９、始まって参りました。カクヨムコン９ではすでに600作を超えるSF短編が12月に投稿されています。このペースで行けばSF短編のみでは1,000作近い応募があるのでは…

　驚異的な感染症が地球上を覆い、人類は未曽有の危機にさらされた。 　有効な対策もない中、人々に取りうる手段は他人と物理的に距離を置くことだけであった。特に人口が過密する都市部から…

【あらすじ】中央線の西荻窪。できれば停まらず通り過ぎて欲しかった。彼のことを思い出すから。話すことが苦手な不器用なバンドマン。一緒にラーメンを食べた日はずっと忘れない。 第2回…

天保11年。 かの五尺竹刀の使い手である大石進が、二度目の江戸出府し、老中首座の水野忠邦の邸宅に招かれた。 その中に、かつて彼に敗れた一人の剣士の姿があった。 彼の名は常政子こ…

世界的な人気を誇るAI音楽家M00Nが失踪した。 ヴァーチャルクライム専門の探偵・8823は旧知のA0教授に依頼され、M00Nの消息を捜索しはじめる。 手がかりは彼女の残した楽曲…

帰らざる日々は今も心の中に

あのとき、ヴォイジャーは孤独ではなかった。私がいたのだから。

――山城の国小椋といふ所の農人、久しく心地悩みけり。或時は悪寒発熱して瘧の如く、或時は遍身痛み疼きて痛風の如く、さまざま療治すれ共しるしなく、半年ばかりの後に、左の股の下に瘡出来…

剣の達人に師事する若者が見たものとは？ 縦読み推奨。 これは鬼才、天才文章構築家にして造語製造家、秋山瑞人にどこまで迫れるか試す実験小説である。武侠物で新境地を見せたDRAGO…

　警察で将来を嘱望されていた元機動隊のエリート、切畠正義は、自殺しようとした引き篭りの青年を助けようとして事故に巻き込まれた。 　彼は妖精に迎えられて見知らぬ異世界で目を覚ます。…

リワードで年イチお小遣いをもらったけど、こんなものかと思っていたら—— 一周年の運営さんからの発表を見て考えた。意外にもロイヤルティ登録者、少なかった……。 換金できてる人はもっ…

　それはある夏の日のことだった。一級冒険家スーリアは、伝説の遺跡迷宮「青の塔」の最深部を目指して冒険に繰り出した。そして極度の方向音痴だった彼女は仲間とはぐれ──迷子になって早五…

カクヨム第一世代からコンテストに何回か応募し、楽しいことも嫌なこともあったのであるあるネタ風にまとめてみた。 ※こちらは企画ものとして書いた作品です。 https://kaku…

ほろり、と人形は涙を流し、わたしは念入りに舐めとってやる。それから、いつものようにキスをするのだ。彼女の、永遠を祈りながら。今日も明日も、変わらず昇る、あの太陽に祝福されて。 …

元禄の頃の尾張、柳生家の次代当主である柳生厳延（としのぶ）は、正月の稽古始に登城した折り、見るからに只者ではない老人とすれ違う。いかにも剣の達人らしき様子に、丸に三つ柏の家紋を入…

冴えない大人になって実家に帰ってくると、部屋にはまだ中学時代の教科書が並んでいた。懐かしい気持ちで本棚を漁っていると、数枚の写真が出てくる。そこには中学最後の春休みの思い出が詰ま…

天寿をまっとうしてこの世を去った老夫人は、気づくと見知らぬまっすぐな道を進んでいた。 道の上には様々な品物が落ちていて、それらを拾い上げるたびに、夫人は対応した人生の場面に立ち戻…

2022/2/27追記 この作品は現実での暴力行為や戦争を肯定するものではありません。 相葉は戦争がフィクションの存在のみであり、実際の戦禍において傷つく人々が居ない世界を望んで…

草食信仰森小説賞参加作品。 テーマ「信仰」

カクヨムWeb小説短編賞2020短編特別賞

大正二年。潮風が捲き上る黒海の地、福岡・生の松原で、奇術師の一色天介はある日、後藤祥馬という少年に出会う。どうやら彼は「人の未来が視える」らしい。 この出会いが引き起こすのは、究…

思うに人は、他者との関係性の中で生きている。だから肉体的な死の後に、他者に認識されることで、初めてその死は承認される。初めて死者は確認される。認識されない死は死ではない。認知され…

嘉永6年生まれ（要出典）という白蔵主天狗の覚書。 初出はMENSA JAPAN機関紙「卓袱台」連載より。

行きつけのお好み焼き屋で、僕は死と向き合った。 これはお好み焼きに生死をかけた、昼下がりの冒険譚。

「友だちになって下さい、……嘘でいいから」 　たいして話したことがなかったクラスの女子との、とある夏。 　　　　　　　◆ 2014年8月31日、執筆。 2015年12月1…

銀河の辺境に開拓された植民惑星エンデラは、入植から三十年経ってもなお自立の気配なく、今なお本国の支援にたかり続けるお荷物惑星。しかも『龍』と呼びならわされる現地の巨大生物が時折暴…

第二回偽物川小説大賞参加作です

それは隕石よりも唐突な出会いだった。 何の前触れもなく吉川善一が出会ったのは、人間よりも遥かに優れた知性と能力を有したラディカンスペルクなる生命体だった。 ラディカンスペルクは吉…

　自殺が合法的な制度として整えられた現代。 　ある日、とある私は人生を終わりにすることにした。

大破局によって迷宮と龍が世界に満ち、人類が文明の絶頂を過ぎ去ってより七世紀。この十六歳の春、僕は大人に、高校生に、冒険者になった。 初日から幼なじみの七海さんに決闘を挑んでしまい…

生物の授業中に降りてきたやつ。時系列的には『VV@I_|く』と『止ﾚ少夢』の間の作品。 鷦鷯飛蝗の詩としては3つ目。 なろうだと字数足りないから猩々飛蝗初のカクヨムオンリー!

彼女の行動の中には、いつだって常に“マナー”がある。 エレガント、と呼ぶにはいささか血と暴力に彩られすぎた暗い路地裏を、今日も彼女は往く。 “掃除屋”メアリ・ハニカムウォーカー…

主人公の「僕」は、最低のタイミングで大学の後輩だったミシマと久々に再開する。 小説作法でいうところの、延々と色を重ねて塗ってゆくようにして書きました。

教会の地下深くに封印され、十三年毎に移送され、厳重に接触を禁じられる少女“ロザリー”とそのルールに纏わる記録。scpみたいな感じです。ホラーよりSFのが近いかもしれない。簡単に読…

カクヨム2020夏物語コンテストのSF・ミステリー小説部門で特別賞をいただきました。ありがとうございました。 クローンとAI技術を迎えた2020年。 大昔に逝去した文化人の遺伝…

書いた小説のあとがきとか言い訳を載せます

イトリ川短編小説賞に参加したくて書きました 全員平等に死ぬハッピーエンドです

2050年（ギミギミシェイク20年）、愛子帝が49歳、芦田首相が46歳（総裁3期目）のお話です。

あなたはサークルクラッシュに巻き込まれて大学に来なくなった友人の家を訪れた。 家は思ったよりも片付いており、東京のお土産物が大量に並べられている。 ここは東京なのに、何故わざわざ…

第一回雨野川小説大賞参加作です。 テーマ「水」

近未来のある日。ヒースロー空港のカフェで主人公はある男性と相席になる。

　冬の夜、わたしは雪の下に君とアヴァロンを見つける。 【ジャンル】百合コメディ 【登場人物】凍死体、ポンコツ雑用係 〈第一回こむら川小説大賞　参加作品〉 https://ka…