ちくわノート

三年付き合った彼氏から突然プロポーズを受けた主人公は、価値観の違いに不安を覚え返事もせずにアパートを飛び出してしまう。 　アパートに帰れず二時間近くさまよった主人公の目の前に、一…

仙人は霞さえ食べれば生きられる。その性質を活かして、芸術家支援のために仙人制度が設けられた。これは仙人試験に合格し、どこまでも仙人として生きた、あるひとりの仙人の物語。

ハッピー心と心の触れ合い、観覧車に乗る話 ※あまりハッピーではない 短いので読んでください！

佐渡薫は心と体がちぐはぐな男子高校生。 地方のラジオ番組で「かおるこ」というハンドルネームを使って自らを女性だと偽りながらラジオにコメントを残す活動を始める。 ある日、ラジオつな…

昭和二十年、京都、夏。売れない小説家の男――『私』は風に飛ばされた原稿を追いかけて侵入した洋館の庭で、奇妙に美しい娘と逢う。娘が原稿用紙をなぞると、小説の一節が紙から剥がれ、娘の…

「音楽に対抗して文学は文楽になりました」とペンギン先生が言った。 　文学部純文学科教授であるところのえらいえらいペンギン先生が言うのだからまちがいない。 　文学は文楽になり、純文…

私は仕事帰りに“自称”魔女のサトウさんを拾った。屈託のない笑顔で荒唐無稽な与太話をする彼女だが、なにやら呪いに悩まされているという。私たちはカップアイスを食べながら、呪いを解くた…

半分は外国人、半分は高齢者という巨大団地に引っ越してきたアサギは詐欺師になるべく、団地の子どもたちに偽宝地図を売りつける。小熊のような子ども〝クマ〟に懐かれるが――

《人生逆噴射文学賞　審査員賞受賞作》 十六でこの言葉にぶち当たったとき、私は大きな衝撃を受けた。人の視線を気にし、自分の選択や行動に自信を持てなかった多感な時期に、この言霊を含ん…

取調室に二人いる。一人は刑事。一人は容疑者。 刑事が容疑者に突き出すのは、決定的とも思える証拠、指紋。 容疑者に一致したと告げ、自白を待つ。 容疑者はいくつかの質問を刑事に対して…

　サクッと読めるお話をまとめました。スキマ時間に是非！ 　※この作品は以前書いた『短きことは良いことだ』をコンテスト用に再編したものです。

おそらくは、昭和20年代前半、東北は仙台近郊の寒村にて。 復員兵の「俺」は、満州から故郷に帰還した。 菊の花を手向けに向かったのは、妻である薫の墓だった。 しかし、そこには先客が…

営業マン中迫はある日、奇妙なものと出会う。

犬は老女を背に乗せて、映画館を目指す。 荒廃した世界で、ふたりだけの上映会が始まる。

「まほろば水族館へようこそ」 館長の鮫島は丁寧にお辞儀をした。 航平と湊は小学校最後の夏休みの思い出に、海沿いにある廃校を探検する。月明かりに照らされた廃校に忍び込むと信じられ…

ブラック企業勤めで疲弊していた男は、気づくと異世界にいた。 男を助けたのは人ならざる存在。 それらの食事は「本」であり、男は、食事を取れずに衰弱していくが―― ※本作は「ゆるプ…

新ヨコハマ市は仮想空間にて人と人工知能との婚姻を認める条例を制定した。 仮想空間ユニメタのヴァーチャルアイドル紺瑠璃カチッのライブ会場にて、彼女へ愛を告げる者が現れた。 僕は…

　1894年の朝鮮・甲午農民戦争「鎮圧」に出征した徳島の農民の話を、大クスの祠の主・藤兵衛狸が語ります。 　8月は「戦争を考える」「戦争犠牲者に思いを馳せる」季節ですが、その語ら…

相合い傘の縦棒は、幼馴染のふたりにとって、深い溝であり、超えられない障壁だった。 運命に翻弄されるふたりが、運命に抗う青春恋愛サスペンスストーリー。 青春恋愛サスペンスです。後…

　以前コバルト短編小説新人賞にて『もう一歩の作品』に入れていただいたものを手直ししました。そのため規定枚数をオーバーしてしまいましたが、ご容赦ください。 　また、一万文字あり…

実話をもとにした短編になります。読んでみてください。

多様な衣、着せられて。 全人類はみんなからあげ。

完成度を気にしながら書くのに疲れた天野の脳内で浮かんだ妄想ーー。 会社の仕事でヨーロッパの古都に赴任することになった三人。おしゃれな街に喜んでいたのも最初だけで、その寒さに音を上…

生得的、いわば本能的に私たちは恋をしている。

BWV.851、BWV.812-menuetに寄せて

夜中に妻が夫から奪い取ったものとは。

パンドラの罪は、箱を開けたことじゃないと思うのです。

大切な男の死に、私は一滴の涙も流せなかった。 私が執着にも似た感情を向けた男、俳優の原田たいちが ある日突然死んでしまった。 彼は私の全てだった筈なのに、今日も私は生きている。…

その禁破るべからず。

ごく稀に投稿されるショートショート

ばら積み貨物船「明星丸」の二等航海士・奈良橋茜と、一等機関士・北原茉子。 ドックハウス滞在中のある日、茉子の部屋を訪れた茜は一緒に〈結索標本〉を作ることを提案する。果たしてその…

おっちゃんと少年たちの友情。

マイムマイスがハイスクールに通っていた頃のお話。 彼は鉱山の在る惑星の祖父がやってるバーで皿洗いのバイトをしていた。

【第2回「G’sこえけん」音声化短編コンテスト（ボイスドラマ部門）参加作品】 呪物の呪いを受けた少女――影内ミホシ。 呪物を蒐集する謎の少女――鬼林マギカ。 とある丑の刻、暗い…

カクヨムコン7　中間選考突破作品 高校生の佳奈はＳＮＳの裏アカウントでネットの住人との交流を楽しんでいた。 いつしか書き込みにつくメッセージの数に執着しはじめ、佳奈の書き込みは友…

何故か井上陽水氏の「ジェラシー」が聴こえて来たから

――今日もまた、神秘と幻想が死んでゆく。 日常の風景に霞むファンタジー。そんな幻想を描きつつ、どこまでも現実を知らしめる夏にぴったりな風情の純文学の短編です。

煙草を吸いたい、馬券を買いたい。 それが死を前にした男の願いだった。 賭け事と無縁の人生を送ってきた男はなぜ競馬場を目指すのか。 　　　　　　　　　　 第5回「1000文字以内で…

友人・紺野の葬式のために大阪を訪れた誠一。十年ぶりに再会したいとこ・あやめと共に、彼は紺野からの遺言を開くが……。 ―――――― 【備考】 行間をあまりとっていないのは意…

冗談のつもりで放った言葉。その相手が例え気の置けない親友や家族だったとしても、知らず知らずのうちに傷付けてしまったことはありませんか？

屋上にある大きなソファでの、男女の話です。

　主人公の僕は平凡な高校生。幸せでも不幸せでもない僕は、日々の生活に生きづらさを感じている。 　しかし、眠れない夜になんとなくつけた音楽番組で彼に出会い、僕の心が動き始める。 …

　交通事故で長い間、意識不明が続いた僕は、ある日突然目覚めた。 　そこには、いつまでも変わらずに、傍にいてくれる彼女がいた。

親からもらった、この大事な身体を

夕暮れの帰り道を、母親と息子は歩いていた。息子は社会からずれていた。息子は社会と食い違っていた。息子には線が理解できなかった。

満月の夜、海に一人、島を目指して泳ぐ男...

KAC20232参加作品 お題『ぬいぐるみ』

大学に着て行くための「正しい服」がわからず、引きこもりになった麻衣。十年経ったらヒマになったのでバイトと婚活を始めたが、なかなかうまくいかない。そんなとき、バイト先でオシャレなイ…

クラスメイトの野田くんにずっと片思いしてるわたしの日常は動き出した黒猫人形と共に崩れ落ちた。 狂気と無意味、そして愛を巡る物語。

主人公、齋藤は、サークルの先輩である雪枝と、恋人のようで、恋人ではない曖昧な関係を築いていた。最低な主人公と、その主人公に心を引かれる雪枝の視点から紡がれる恋愛物語。