「大坂の陣」を含む小説

長きに渡る戦国時代も大坂・夏の陣をもって終わりを告げる …はずだった。 まさかの大逆転、豊臣勢が真田の活躍もありまさかの逆襲で徳川家康と秀忠を討ち果たし、大坂の陣の勝者に。果…

「無三四どの、江戸へ出向いていただけないか。路銀は紹由どのが用立てる」 烏丸卿がはじめて用向きを口にしたが、その先を言うのをためらった。 「われらは東軍の徳川とも、西軍の豊臣とも…

　狐姫。 　狐憑きの容姿をしたわたしはかつてそう呼ばれ、戦国時代で生き残るために一度は織田信長によって滅ぼされた朝倉家を再興し、その勢力を拡大させた。 　上杉家、織田家、北条家…

その者の名は、立花慶一郎。 生まれに宿命あり。 生様に運命あり。 果てさて、立花慶一郎。 宿命に殉ずるか、運命に生きるか。 その生様、見て候。 時は慶長、名実ともに戦国時代の終…

かつて織田信長を撃った男が、まだ生きていた。三代目服部半蔵は、駿府城から江戸幕府を操る大御所徳川家康の密命を受け動き出す。

関ヶ原の前、政宗のところに直江兼続が隠密裏にやってきた。連合して家康を倒そうという誘いである。その話を聞いて、政宗は関東に兵をすすめる。くっついたり離れたり、政宗の策謀がいたると…

辛い歳月を過ごし、失意に沈んだ者は、人の痛みを知る。命を賭して雄々しく立ち上がれる。謎に満ちた幸村伝説がはじまる。

【2023/03/26完結】 大坂の陣前夜。 禍乱の予兆に揺り起された、妖異の胎動する冥闇の時代。 伊賀のくノ一藤林碧は、行方不明になった許婚の捜索を命じられる。 そして訪れる…

時は寛永四年（1627年）。奥州白石（しろいし）城にて、阿梅(おうめ)が弟の守信(もりのぶ)に請われて語った大坂の陣。彼女は父の最期を遠目から見ていた証人だった。

　天正8年、時代は過渡期だった。父祖伝来の領地を守る『中世武士』は『戦国武者』に斃されていった。 —激しい世の流れに、門閥は崩れ、人は功名を求め、戦場に命が消えていく— 　「この…

「片桐且元の心中を勝手に慮って勝手に追悼する小説」「不機嫌な家康」に続く大坂の陣三部作最終章を、大野修理の視点で描く。

拙著「片桐且元の心中を勝手に慮って勝手に追悼する小説」のこぼれ話を、小説のようでもありエッセイのようでもある読み物として掲載する本作。 一万字やや超えの短編ですのでお気軽にどうぞ。

関ケ原の戦いの終戦後、長い戦国の世が終わり、徳川幕府による泰平の世に移り変わろうとしていた。 しかし、徳川の世に排斥された者達の中に残っていた戦乱の火種は、14年もの間密かに燻り…

仇はこっちだと思っていたらそっちだった怨霊の報復。

島原の乱が終わった寛永十五年の冬。柳生但馬守宗矩の妾の子であり、子飼いの隠密集団『裏柳生』の一人である七郎は、初任務としてある調査を請け負う。それは、大坂の陣で死した筈の明石全登…

日本史大好き女子高生、浅川秀美は図書館帰りのある日いきなり雷に打たれる。 そのちょうど四百年前、大坂の町をひそかに歩いていた男たちがいた。 その名は、「真田幸村」。幸村は四百年…

時は『戦国』から『江戸』へ。 大坂夏の陣によって、家族を失った少年・凪 乱戦の中で仇討ちを果たした凪だったが、そこで生き別れた兄によって心臓を奪われてしまう。 陰陽師の桔梗に…

　初代松代藩主真田信之の正室小松姫は、頭に白鉢巻き、嫁ぎ先真田家の家紋「六文銭」入りの胴丸に、養父徳川家康の家紋「三つ葉葵」入りの陣羽織を重ねた勇猛な肖像画や、男勝りと言われる気…

ある者は忠義を尽くすため、ある者は戦場で死ぬため、ある者は失ったものを取り戻すため、ある者は恩に報いるため、ある者は同志たちの自由のため－－ 大坂城に集った「乱世の残滓」たちが、…

豊臣家最後の砦、大坂城をめぐる戦いが始まった。 「大御所」と呼ばれる徳川家康は大軍を率い、城を包囲する。目指すのは体内に「第六天魔王」織田信長の血をよみがえらせた豊臣秀頼の首級。…