本コンテストにご応募くださった皆さまに、まずは深く感謝申し上げます。
富士見L文庫編集部が開催する、初めての中編コンテスト。
どきどきしながら皆さまのご応募を待っていたのですが、結果793作品というたいへん多くの、すばらしい作品に出会うことができ、本当にうれしく思います。

今回応募開始にあたって、応募要項で編集部からは下記のようなメッセージをお伝えしていました。

受賞作の「メカニック・ガールは恋の設計図を知らない」は上記の観点全てに、見事に正面から応えてくれた作品でした。
読み始めた途端にからくり仕掛けの街・ノーサンギアの風景が目の前に浮かび、物語の世界に引き込まれました。
本作の応募時に投稿されていた範囲には、明確な恋愛描写はほとんどありません。
しかしながら、ある一つの事件を通して、機械工のハリエットと機械人形のセブンスの背景や抱える課題が自然に提示され、彼らはいずれ惹かれ合って特別な関係になるだろう、そして二人の恋はこの世界の在り方に大きく影響され、また影響を与えうるものになるだろうと強く予感させられました。
いうまでもなく、これらを導くための構成・描写が練り上げられているという点でも、非常に優れていました。

他に最終選考の対象となった作品を下記にリストアップしました。
これらの作品も、今回のコンテストのテーマに沿って、それぞれの著者様だからこその「答え」を見せてくださったように感じています。
ぜひ皆さまにもお読みいただければと存じます。

数多くの力作を拝読し、編集部もとても刺激を受けました。
ぜひ今後もカクヨムにおいて、皆さまが挑戦したいとわくわくしてくださるような企画を検討してまいりたいと存じます。

また、本コンテストをきっかけに富士見L文庫に興味をもってくださった方は、富士見L文庫主催の新人賞、富士見ノベル大賞もぜひチェックしていただけましたら幸いです。
これからも皆さまお一人お一人にしか書けない、すてきな作品に出会えることを楽しみにしています。