魔法戦士は中途半端だといわれて追放された僕が魔王と相討ちになった勇者の語り部になった件〜僕が居れば生き残っていたかどうかはたらればになるのでもう遅い〜

月天下の旅人

中途半端という烙印

僕の名前はリエル。

魔法戦士。

剣を振るい、魔法を放つ。

でも、どちらも一流じゃない。勇者パーティーに加入したのは三年前。

最初は歓迎された。

「前衛も後衛もこなせるなんて便利だな!」

そう言ってくれたのは、戦士のガルドだけだった。僧侶のセリアは優しく微笑み、勇者――レオンは、最初だけは笑顔だった。

でも戦いが続くにつれ、空気が変わった。

「リエル、お前の魔法は火力不足だ」

「剣の腕も、ガルドに遠く及ばない」

「回復はセリアに任せた方が早い」

レオンの言葉は、次第に棘を帯びた。

僕は確かに中途半端だった。

専門職の彼らに比べれば、どれも「そこそこ」止まり。

でも、僕は知っていた。

自分が居ることで、戦術の幅が広がっていることを。

セリアが少しでも攻撃魔法を撃てば前衛が楽になる。

ガルドが少しでも回復できれば長期戦に持ち込める。

そんな「繋ぎ」の役割を、僕は果たしていた。

それでも、ある夜。

「悪いな、リエル。お前がいると戦術が定まらない。中途半端な奴はここにいられねぇよ」

レオンの声は静かだった。

静かだからこそ、残酷だった。

荷物をまとめる間も与えられず、僕は街の外に放り出された。

背後で扉が閉まる音が、妙に大きく響いた。

あの時、セリアは目を逸らした。

ガルドは拳を握りしめたまま、何も言わなかった。

武闘家のミーナは……まだ加入前だったから、何も知らない。

僕は空を見上げて、呟いた。

「……まあ、仕方ないか。中途半端だったのは事実だし」

でも、心のどこかで小さな棘が刺さったままだった。


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