まず、満足している人がいます。
望みのものを棲みかから連れ去って、
大切に大切に慈しんで、愛を返される人です。
連れ去られた子は大切にされて
その相手に親しみを抱きます。
そして善行を施すことに満足する人がやって来て、連れ去られた子が既に馴染んだ場所を引き離して元の場所に戻します。
最初の人は慈しんでいたものを奪われて嘆きを得ます。
善行だと思う人は、正しいことをした満足を得ます。そして、人に馴染んだものを自然に返してしまった罪を無自覚に負います。
連れ去られ戻されたものは、人を恋しく思って嘆きます。
その場所に留まることも、人への警戒を失くしたことも命の危険に直結することだというのに。
強いものに弱いものが運命を自由に書き換えられてしまうことは、弱いものの罪なのでしょうか。