二、無謀な願い
その瞬間、衝撃が走る。私みたいな忌み嫌われる人にも、分け隔てなくに接する人がいるなんて。その聖人のような振る舞いに唖然とした。京雅と名乗るその人は旅人らしい。南の島の出身で、こんがりと焼けた肌に透き通るような桃色の髪をしていた。私は、ぱっとしない紺色の髪色なので凄く羨ましい。けれど京雅は、私のシンプルな髪色が羨ましいらしい。南の島では、肌の色も桃色の髪も普通だが旅をしているとやはり目立つようだ。京雅は私を気に入ったようで、毎日構いに来る。だからといって、うざかったり面倒くさい訳でもない。程よい線引きが彼の中には在るようだった。段々と私も心を開いていって、いつしか京ちゃん飛鳥と呼び合う程には仲良くなった。一緒に過ごすうちに段々と、京ちゃんの特別になりたいと想うようになっていた。その願いは無謀で、諦めなければならないもので。けど諦められなくて。京ちゃんは、誰のことも特別にしない。平等だけど、誰も信じない。誰も京ちゃんの心には踏み込めない。誰よりも孤独な人だから。もうすぐ五感を失う頃合いだ。そしたらきっと京ちゃんは離れていく。それまで、京ちゃんと居たい。それぐらい願ったって良いよね?
願わくば、飛鳥の呪いを解きたい。そして、飛鳥をこの地獄から攫い出して一緒に旅をしたい。呪いの子の文献によると呪いを解くには、呪いと呪いを混じり合わせなければならないみたいだ。旅をしていても他の呪いの子には会っていない。それがとてつもなく、悔しくてやるせない。僕が自由に旅をしている間にも飛鳥は、孤独と共に生きていたんだろう。その傷はきっと深い。完全に治ることはなくとも、僕が治癒出来たら。人間不信の飛鳥。ずっと飛鳥の側にいるには、もう一人の呪いの子を見つけ出さなければ。けれど飛鳥から離れたくない。僕は、各方面に助けを仰いだ。無駄に広い人脈。きっといい知らせが来ると信じて。
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