第4話
あなたは救急車で病院に運ばれた。妻が同乗したが、運ばれた病院で医師や看護師に問われてうろたえるだけでまともに答えられない。
診察台の上でその様子を横目で見たあなたはここまで愚かな女だったかと妻を心の中で罵倒しただろう。もともとそういう気質があったが五十年かけてあなたがそうしたのだという自覚があなたにあっただろうか。
ろくに医者にかかって来なかったあなたのことをあなたの代わりに答えたのは後から来た嫁だった。
物静かな嫁は無感情のまま淡々と答えた。義父の部屋から物音がするので声をかけのぞいてみたら、物が散乱した部屋に這うように蠢く義父を見た。言葉をかけても答えられない。何か声は発するのですが――。
あたかも巨大な蠢く生き物を目にしたかのような言い方。俺は化け物になったのか?とあなたが思ったかどうか。
あなたはすぐに入院となった。
脳梗塞。かなり重い状態だった。太い血管が詰まったために広範囲にその影響があらわれ右半身麻痺と失語という後遺症が残った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます