Dia pason
その次の日だった。
「面汚し!」
という言葉を向けられたのは。
俺は理解が追い付かず、ぼんやりしていた。
社長とやらについて何か告発してやろうとかいった気はなくて、その社員とやらも、告発してやろうという気もなかった。だから、なにかしたわけじゃない。はず。全部、どうでもよかったのだ。
やはり俺を試していたのだろうか、裏切られたんだという切ない気持ちも含めて、何もかもが、どうでもよかった。
今思うと、彼らが適当に誤解を振り撒いただけかもしれない。
なにひとつ、わかりはしなかった。
ときどき、不思議な夢を見た。
嫌な夢だった。
頭と足の方向、両脇から、四人くらいの男に、抱えられて「よいしょ」「せーの」 と言う声とともに、どこかに運ばれる夢。なんとなく理解した。これは同調している。寝ているおれと。最悪だ……
運動会のなんとか運び競争みたいな、扱いに、なぜだか背筋が冷える気持ちと、ここがどこで、おれがいるのは誰なのかは、さっぱりわからなかった。
なにひとつ。なにも、見えないのに、こいつ、運ばれてんだなというのだけが見えていた。
最悪だ。塩の香りはしなくて、どこかの山とか、土である気はした。情報は、それだけだった。
ときどき、嫌な夢を見た。知らない誰かのような夢だった。やってないのにと嘆きながら、遺体だけを運ばされる誰かの、夢。運ぶためのみに呼ばれたらしく、不運だ。情報は、それだけだった。夢占いなら、どういう結果だろう。
別の意味のある夢なら、どうしておれがみなくちゃならないんだろう。
嫌だ、もう嫌だ、嫌だ。もがいていると目が覚めて、寝不足のまま、今度は倒れるように眠る。
明け方の3時とかに寝ていた。
寝ながら見る遺体の夢なんて、最悪の一言に尽きる。
本当に死んだみたいに思えてきて、びびるのだ。
それから、夏が近づくにつれて、その夢を見なくなった。
見なくなったときと、見ているときの違いは、恐らく気にするかどうかなのだろう。
俺が考えるに、きっと、それを自らが信用しきって過信すればこの力は消える。第三者の一方的な意思を混ぜてはならない。その夏がずいぶん過ぎて、月日が経って、油断してた俺が知ったのは、
それはただ単に、受信が止まってただけだったってこと。いつからかそれはまた起きたり止んだりを始めて、だから俺も此の場所にいるわけで。そんなもんなんだ。
おとついの夜も、変な映像を見た。アパートかどこかの一室の中で、口にタオルを結ばれた約2、30代くらいの見た目の女性が横たわっていて、こちらをじっと見ていた。
……いやな夢しか見ないから、色に抱きついて寝ていたい。そして、あんなのが流れて来るのはいいかげん終わりにしたい。
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