第7話 年明け四日目

「オジサン♡」

「ん⋯⋯」


 まだ年明け四日目だぞ? 朝くらいゆっくり寝かさてくれないだろうか?


「オジサ〜ン!」


 かんべんしてくれよ〜。


「どーん!!」

「うぐっ!」

「えへへ〜♪」

「頼むから、オジサンにダイブするの、やめてもらえないだろうか? その気はないけど、ときめいちゃったらどうすんだ?」

「きゃー! 襲われちゃう!?」

「襲わないからっ!!」


 なんなんだ!?


「うち、そんなに魅力あらへん?」

「僕が女性になにも期待してないだけなんだ。ごめんよ?」

「へえ? やっぱりオトナになってもええことあらへんねや?」

「さあね? 君の言う良いことってのが、何を示しているのかわからないけど、僕は平凡な人生を送りたいだけなんだ。別に良いことなんてなくてもいい」

「なんや朝から辛気臭いなあ?」


 いやそれ、普通にひどくないですか?


「なら、もう少し寝かせてくれよ」

「オジサン」

「ん?」

「今夜は寝かせねえぜ!!」


 いや、朝だし!!


「って、おまっ! やめろ!! くっ!! ズボンを脱がさないでくれい!!」

「なら、さっさと起きる!!」


 はあっ!?


「どうして!?」

「うちがおなかすいたからに決まってるやん? ほらほら! パンツも脱がしちゃうよ!?」

「それだけはやめろ! 飯くらいなんかあるだろ!?」

「それが⋯⋯」


 ⋯⋯ん?


「どした? そういえば⋯⋯なんか焦げ臭ぇな?」

「目玉焼き作ろう思たら、焦がしてもて⋯⋯ごめん」

「作り直せばいいだろう?」

「それが⋯⋯」


 ⋯⋯。仕方なく、キッチンへと足を運べば、作り直せない理由を目の当たりにした。


「全部使ったのか⋯⋯」

「うん。ごめん⋯⋯なさい」

「まあ、たぶん、僕にも朝めし作ろうとして頑張ったんだよな?」


 こくり、うなずく。


「他には?」

「それが⋯⋯」


 まだあるのか?


「こっち⋯⋯」


 ああ⋯⋯。


「色移りしてるな? まあいいよ。このまま干そう」

「うん」


 色移りしてしまった洗濯物を風呂場に干して浴室乾燥にかけた。うん、なんか一回り小さくなったセーターもある。はあ⋯⋯。


「じゃあ、行きますか」

「えっ、どこに?」

「朝めし、お腹すいてんだろ?」

「せやけど⋯⋯」

「牛丼屋と定食屋、どっちがいい?」

「ぎ、牛丼!!」

「わかった。じゃあ、着替えるから少し待って?」

「ぎゅうど───ん!!」


 この有り余るパワー。女子高生って活力そのものだな?





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