第39話 戦線
ヘリの扉が開いた瞬間、熱と騒音が一気に流れ込んできた。
ローター音、怒号、銃声、そして魔法が空気を裂く音。それらが混じり合って、耳の奥がじんと痺れる。
地面に降り立つと、すぐに状況が目に入った
ダンジョンの入口を中心に、即席の防衛線が引かれている。装甲車、自衛隊員、対魔法用の展開盾。だが、それを嘲笑うかのように、モンスターが次々と押し寄せていた。
数が多い
種類もバラバラだ
二足歩行の獣型、節足類、黒い粘体、翼を持つ個体。明らかに階層の違うモンスターが、無秩序に混ざっている。
「ちっ……」
考える暇はない
魔力鎧だけを即座に纏う
次の瞬間、
突っ込んできた獣型の頭部を拳で砕いた
骨の感触が、鈍く手に残る
振り向きざまに魔力刃を生成し
横一線に振り抜く
三体分の胴が、音もなく分断された
止まらない
後方から飛来した針状の射出物を、反射的に偏向防御で弾く
地面に突き刺さったそれは、遅れて毒煙を噴き出した
危ない
が、いちいち気にしてられない
魔力弾を低出力で連射
群れの脚を重点的に撃ち抜く
倒れたところを、近接で確実に処理する
自衛隊の銃火器が火を吹く横を、走り抜ける
「援護感謝します!」
若い自衛官が、叫ぶように声をかけてきた
「気にしないでください」
それだけ返して、次の群れへ向かう
銃は強い
だが、弾切れもあるし、再装填の隙もある。そこにモンスターが突っ込めば、一気に被害が出る
その隙を埋めるのが、自分の役目だ
腕を振り、魔力糸を張り巡らせる
透明な糸に絡め取られた飛行型モンスターが悲鳴を上げながら地面に叩きつけられる
落ちた瞬間、魔力刃を投擲
心臓部を正確に貫き、即座に絶命
呼吸は荒れていない
頭も冷えている
ただ、数が多すぎる
「そっち、左から大型来ます!」
別の自衛官の声
視線を向けると、装甲の厚そうな甲殻型が二体、のしのしと迫ってきていた。銃弾が弾かれている
面倒だ
魔力弾の出力を上げ、関節部を狙う
装甲の隙間に魔力がねじ込み
鈍い破裂音と共に、一体が崩れ落ちた
もう一体は、接近してきたところを正面から受け止める
衝撃が身体を揺らす
魔力鎧が軋む
だが、止まる理由にはならない
膝に蹴りを入れ、体勢を崩したところで首元に魔力刃を突き刺す
抵抗が一瞬あり、すぐに力が抜けた
周囲を見る
防衛線は、なんとか保たれている
その時だった
空気が、変わった
ざわりと肌を撫でるような魔力の波
不快で
重い
思わず空を見上げる
青空のど真ん中に
巨大な魔法陣が浮かび上がっていた
円は幾重にも重なり
複雑な紋様が回転している
直径は軽く数十メートル
今まで見たどんな召喚陣よりもはっきりと悪意に満ちている
「な……」
自衛隊の誰かが声を失った
魔法陣の中心が歪み
空間が裂ける
次の瞬間
そこから何かが落ちてきた
いや、落ちてきたのではない
ゆっくりと
降りてきた
石と金属を組み合わせたような巨体
四肢は太く、胴体は要塞のように分厚い
地面に足が着いた瞬間、
衝撃で土砂が舞い上がり
防衛線が揺れる
全長、およそ五メートル
巨大ゴーレム
無機質な顔が
ゆっくりとこちらを向いた
その眼孔に
赤い光が灯る
空気がさらに重くなった
これはただの溢れじゃない
ダンジョン教が本気を出してきた
そう直感した瞬間
ゴーレムが一歩、前に踏み出した
本作を読んでいただきありがとうございます!
勢いで描き始めた作品なので話の矛盾点や誤字脱字などがあったら教えていただけると嬉しいです!
あと、主人公はモブなので基本的に登場人物に深入りなどはしません。当時人物がどんな性格か、どれくらいの強さかといったことが気になったらコメントしてください!
そして少しでも面白いと思って頂けたら、作者の励みになりますので♡や⭐︎、感想などよろしくお願いいたします!!
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