Second Movement "Stellar"
Op.Ⅰ "Tenendo"
私が初めからいた国は、安定した気候の土地だった。 私は知らぬうちにこの国にいて、この国からは一度も出たことが無かった。だから、まずはこの国をくまなく探せば母が見つかるかもしれない。と、思っていた。
しかし、人探しというのはそう簡単なものではない。そもそも私は、母の顔を知らない。夢に出てきた母も自分の母なのかすらわからないし、顔は見ていなかった。それでも、私は本当の母なら一目見た時に気付けるという確信を持っていた。だから、進み続けた。
しかし、現実は残酷である。それだけで母を見つけられるのなら孤児院になんて行かない。私が道に迷うことは無かったが、だからといって全ての道を把握しているというわけでもない。母の兆しなど見えぬまま、歩き続けて時が経っていった。
いつしか、この国の殆ど全ての場所をこの足で踏破していた。各地で住民への聞き込みも行っていたが、それで私の母が簡単に見つかるなどということは無かったのである。
そもそも、あの孤児院の職員が与えたエトワールという名前が、私の本名なのかすらも分からない。もしかしたら、何も関係の無い名前なのかもしれない。
それでも私にはエトワールという名前しかなかったので、夢の中の母を信じて旅を続けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます