Second Movement "Stellar"

Op.Ⅰ "Tenendo"

私が初めからいた国は、安定した気候の土地だった。 私は知らぬうちにこの国にいて、この国からは一度も出たことが無かった。だから、まずはこの国をくまなく探せば母が見つかるかもしれない。と、思っていた。

しかし、人探しというのはそう簡単なものではない。そもそも私は、母の顔を知らない。夢に出てきた母も自分の母なのかすらわからないし、顔は見ていなかった。それでも、私は本当の母なら一目見た時に気付けるという確信を持っていた。だから、進み続けた。

しかし、現実は残酷である。それだけで母を見つけられるのなら孤児院になんて行かない。私が道に迷うことは無かったが、だからといって全ての道を把握しているというわけでもない。母の兆しなど見えぬまま、歩き続けて時が経っていった。

いつしか、この国の殆ど全ての場所をこの足で踏破していた。各地で住民への聞き込みも行っていたが、それで私の母が簡単に見つかるなどということは無かったのである。

そもそも、あの孤児院の職員が与えたエトワールという名前が、私の本名なのかすらも分からない。もしかしたら、何も関係の無い名前なのかもしれない。

それでも私にはエトワールという名前しかなかったので、夢の中の母を信じて旅を続けた。

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