自分はAIを“便利な自動文章機”として使っていた側でした。
でもこのエッセイを読んで、「AIを使う=ズル」みたいな後ろめたさって、結局“道具の仕組みを知らない不安”から来てるんだな、と腑に落ちました。
特に刺さったのは、AIが放っておくと「平均値という国道」を走る、という説明です。
AIって優しい言葉を勝手に出してくれるし、破綻しにくい。だから安心して任せたくなる。けど、それをやるほど作品が無難に寄っていく――この感覚を言語化してくれたのが大きいです。
あと、この本は“プロンプト一発で神出力”みたいなノウハウではなく、会話で地図を作って、推敲でハンドルを奪い返すっていう、実際の書き方の話になってるのが良い。
「5ブロックで刻む」「メモで再定義する」「AIの“忘れる”を前提に運用する」みたいな、やってる人の現場の知恵が詰まってました。
自分は0からAIを触りながら書き上げたタイプなので、途中で「これ、俺の作品って言っていいのか?」って迷った瞬間が何度もあります。
でも、本書の「悩んだなら、それでも書き切ったなら、それはあなたの仕事だ」という断言で、背中を押された感じがしました。
AIを否定するんじゃなく、自分の意志でAIを使い倒す方向に気持ちが切り替わります。
AIで書くことに罪悪感がある人、逆にAIに任せた結果“どれも同じ味”になって困ってる人には、かなり効くと思います。
これは道具の説明書というより、創作の主導権を取り戻すための戦術書でした。