二丁目の駐車場にある「ずっと動かない車」をめぐって、学生、管理会社、近隣住民、主婦、配信者、警察と、語り手が次々に入れ替わりながら噂が積み重なっていく構成が秀逸なホラー作品。断片的な証言はどれも日常的でリアルなのに、少しずつ違和感が増していく感覚が心地よく怖い。核心を説明しすぎないため、読者自身が想像を巡らせる余白が残り、読み終えた後も「あの駐車場」を思い出してしまう。派手な演出よりも、身近さと不穏さで攻める怪談が好きな人には強くおすすめしたい一作。