第17話 高価なポーション

 ふと気づくと、マエルは誰かの腕に抱かれていた。

 いつの間に気を失ったのか、全く覚えていない。

 甘味のある水が少し口の中に注がれて、酷く喉が渇いていたことに気づいたマエルはゴクゴクと一気に飲み干した。


 飲み終えて、ふと気づく。

 それがかなり効力の高いポーションであることに。


「……あ…ありがとう……ございます……。貴重な薬……すみません……」


 マエルは途切れ途切れになりつつも相手に謝った。

 魔力切れ、過労、脱水症状、内臓機能低下……そんなもろもろの症状を一気に治してしまう薬など、国宝級のものしかない。


「俺は平民なので敬語は不要ですよ」


 そう応えるのは、黒い髪と猫耳と尻尾の青年だった。

 知り合いではない。


「……でも……多分……あなたは年上で……勇者様か……聖者様……ですから……」


 マエルはこの青年が只者ではないと感じた。

 見ず知らずの者を高価なポーションを使って救ってくれた青年は、聖者か勇者か?

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