すてきな人たち
松下景
近所の小さい子
私が小学校六年生の時のお話。
昔の話なのにどうしても憶えておきたい子がいた。
学校の決まりで私たち六年生は新一年生と一ヶ月間一緒に登校する、というものがあった。
朝の澄んだ空気の中一緒に登校する一年生の子のお家に迎えに行くと、一瞬で小さな女の子に心が奪われた。
小さなフリルのついた薄手の長袖にパステルカラーのスカート。ミント色のお洒落なランドセル。
その中でもすてきだったのが、その女の子の髪型。ある日は編み込みの入ったポニーテール、またある日はカラフルなゴムのついたオニオンヘア。
どうやら彼女のお母さんが毎朝結ってくれてるらしい。さすがはお母さんだな、と感じたのが、透き通るような白い肌に焦茶色の髪を持つその子によく似合うカラーの髪ゴムで結んでいるのだ。
すごくシャイな女の子だったのだが、髪型を褒めた時、照れながら笑ってくれて本当に可愛かった。
この会話がきっかけにあまり彼女から話しかけてくれることが多くなり、嬉しかった。
春のあたたかい日の光と花の薫りがする中現れた、小さなおしゃれさんのお話。
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