伏線(3/3)「面接の結果」

 帰りの電車、窓からオレンジ色から暗くなっていく空を見ながら、僕は、自分を悔やんだ。

面接に来た人が、上から目線で指摘をしたのだ。多分、不合格だな。次の会社を探そう。と、僕は、スマホの新卒求人アプリで、調べ始めるのだった。

 ところが、3週間が過ぎた頃、その会社から、内定メールが来た。

 驚いた。あんなことがあったのに、合格にしてくれるなんて。それに、後半の文が気になった。

 

 条件等詳細につきましては、再度お会いさせていただき、

直接お伝えさせていただけますと幸いです。

何度もご足労いただき、恐縮ではございますが、

 改めて、ご都合の良い日時を複数お伝えいただければと存じます。


 勤務条件や福利厚生は、募集要項に書いてあったはずだが、他に何を言われるのだろうか。内定式か早期の研修だろうか。分からないが、とりあえず、僕は、空いている日時を書いて返信した。




 再び、あの会社へ足を運んだ。

 オタクさんに案内され、エレベーターに乗った。彼女は、ドア横に立ち、5個のボタンがある中で、1の下を指で強く押した。1の下は、ただの壁なので、何も起きな・・・。

 僕は、あの時の面接官みたいに、ムンクの叫びになった。なんと、押した部分に、ボタンと同じ大きさと形をした線画が浮かび、赤く光った。

 「すいません、これは・・・?」

 と聞こうとすると、オタクさんは、とっさに、人差し指を自分の口に当て、シッ!と注意をした。

 「ここから先は、我々から話しかける時以外は、私語厳禁でお願いします。」

 「はい。」

 彼女が小声で話すので、僕も小声で返事をした。

 エスカレーターの降下が止み、ドアが開いた。

 エスカレーターを出た後、僕は、先を歩くオタクさんについて行った。地下の廊下は、夜の病院みたいに薄暗かった。

 まっすぐ進み、次は右、次も右、次は左と、ややこしい迷路を進んでおよそ5分、やっと目的地と思われる部屋に着いた。

 「こちらへどうぞ。」

 「ありがとうございます。」

 オタクさんがドアを開けて通した。奥へ進むと、ムンクの面接官が座っていた。部屋の中は、奥の方に本棚が沢山並んでいて、洋風な書斎って感じだ。

 「ようこそ、お越しくださいました。さあ、こちらへ。」

 言われた通り、僕は、正面にあるパイプ椅子に座り、ムンクと向かい合う。

 「2度に渡る面接、お疲れ様でございました。実は、あなたの配属先は、営業事務ではなくてですね。内偵部に配属となります。」

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