聖剣セクスカリバーをヌいた勇者の賢者タイム 〜オナニー死して転生した俺、絶頂(ヌ)くたびに魔法(チート)が発動して世界最強〜
いぬがみとうま
第1話:自己発電してたら死にました。
その日、首都にある広場に集まる民衆は千人を超えた。
「う……うそだろ?」
「これが我々が百年間も待ち続けた勇者だなんて」
「いや……これで世界が救われる……のか?」
「でもなんか」
「勇者が……」
「こんな奴が勇者なんて」
「「「なんか嫌ーーッッ」」」
◆
遡ること数日前――
「四番テーブル、デシャップ」
俺はカフェのキッチン補助のバイトをしている。
「ハイっ。わ、おいしそー」
同じくバイトの女子大生――香澄が、俺の盛り付けたプレートを見て言う。
(おおぉん♡ 今日もかわいすぎるぜぇ! 香澄たん♡)
ことごとく就職を失敗した俺は大学時代から働いているこのカフェでは古株のバイトだ。
割とおしゃれなカフェは人気のバイトである。したがって女子大生だらけのこの店は、俺のオアシスなのである。
「
「ほーい。今日は何がいい?」
「んー。太鳳さんのオススメで。えへへ」
(俺のオススメだってー? もしかして……? 香澄たーん♡)
香澄たんは俺の推しである。
「ほい、俺のオススメ、手ごねハンバーグプレート」
「わーい! おいしそー」
香澄たんは俺の作った賄いを持ってバックヤードへと向かった。
(そろそろ、俺も賄いをたべようかな。香澄たんとおそろいの。ぐふふ)
彼女を追いかけるようにバックヤードへ行くと、中から声が聞こえてきた。
「ねぇオーナー。あの豚キモいんですけどー」
「ああ、下根か。キモいよな」
「あの豚ヅラで太鳳って名前、ヤバくないすか?」
「でも、苗字が下根だぜ? シモネタオだぜ?」
このオーナー。先代の息子で去年代替わりした。
人のいい先代と違って、性格は最悪のヤリチン野郎だ。
(ぐぬぬッ! あの香澄たんが俺の悪口を……あの愛想の良さはなんだったんだ)
「しかもオススメって言ったら手ごねハンバーグですよー。食欲失せるー」
「手ごねじゃなくて、ヒヅメごねじゃね?」
「あはは、オーナー面白い」
「じゃあ、香澄。お前のおっぱいを俺に手ごねさせろよ」
「もう♡ オーナーったら。昨日あんなにしてあげたのに」
(ぎゃーーっ! すでにお手つきーーッッ)
俺は、意気消沈してキッチンの端っこで賄いを食べた。
肩を落とし帰宅。殺風景な部屋だ。
俺は今年で三十歳を迎えてしまう。
小学校、中学校、高校、大学。ずっと女子という生き物と関わって生きてこなかった俺は、ついに童貞のまま三十歳になる。
魔法使いになるらしいが、俺は確信していた。
「多分、上位職の賢者になる」
なぜならば、俺はプロオナニストであるからだ。
プロとアマの違いとはなにか。
ある人が言った。プロはその道で「飯を食っている人」のこと。
だったら俺はプロの域に入っている。なぜなら……
「俺はオカズを食っているからな!」
今日の屈辱を性欲に脳内変換させてやる。
俺は全裸になってスタンバイOK。
今ままでの推しだった香澄たんのイメージでシコり、達しそうになると俺を蔑む香澄たんにスイッチして、何度もチャージした。
そして、ついに発射。
今宵のオカズは今までに経験したこと無いほどに刺激的だった。
香澄たんをオカズにして早一年。
今ので最後にしようと思っていたのに……
「も、もう復活している!」
俺は再度、シゴき始めた。
達した。
俺は再度、シゴき始めた。
達した。
脳内に「天空の城ラピ◯タ」のセリフがよぎる。
(ムスコ大佐「何度でも蘇るさ!」)
俺は何度でも蘇るムスコを朝までシゴき続けた。
下根太鳳。享年二十九歳。死因――自己発電死……
――――――
――――
――
「シモネ・タオ……起きなさいシモネ・タオ」
その声で目を覚ますと、目の前に女神が立っていた。
その美しいご尊顔、美しい体型、そしてエロい衣。当に女神だった。
「貴方の地球での命は尽きました……」
「え? お、俺が死んだって? なんで」
「オ◯ニーのしすぎです。なんと情けない」
オ◯ニーのしすぎで死ぬなんて……まったく俺らしい人生だ。
「ははは……来世はいい人生を送りたいもんだ」
「貴方の死に方を哀れに思った地球の神が、私に貴方を託しました」
「ん? どういうことだ?」
「貴方を私の管理する世界に転生させてあげましょう」
まさか異世界転生? 本当にあったのか!
「可愛そうだから転生特典を付けろと申し送りが……希望はありますか?」
「モ……モテるようにしてくれ。イケメンとかに出来ないか?」
「私好みにしてあげましょう。貴方の今の顔は見るに耐えません」
「なんだと! これは期待大!」
「さらに勇者と賢者というチートにして差し上げましょう」
異世界の女神は地球の神より慈悲があることに感謝した。
「さあ、そろそろ転生先に送ります」
「あ……せめて、異世界でのチュートリアル的なものって無――」
そこで俺の意識はぷつりと途絶えた。
――――――
――――
――
次に目が覚めると俺は路地裏に倒れていた。
石畳の冷たさが背中を冷やす。
「冷たっ! って、そりゃ冷たいはずだ。俺全裸じゃないかーーッッ」
たしかに全裸で前世を終えたかもしれないが、なにも全裸で転生させなくてもいいじゃないか。何を考えているのだ。あの女神め!
石畳の水たまりに映る自分の顔を見た。
「うぉっ、マジでイケメンになっているじゃないですかー! グッジョブ女神様」
女神のキャラクリのお陰で引き締まった身体には、我ながら惚れ惚れする。
しかし、街中で全裸……これは転生直後にすでに詰んでるじゃないか。
「なにかせめて股間だけでも隠せるもの……」
(あ、あった……)
俺は干している洗濯物から一枚の布を拝借し、そそくさと足を通した。
「貴様! そこで何をしている!」
振り返ると、数人の衛兵が抜剣し身構えていた。なんてタイミングだ。
だが、一応股間は隠せた。この世界が地球と同じ概念ならば公共物わいせつ罪ににはならない……いや、ギリギリだ。
(事情を話せば……いや、転生者だなんて言ってもな)
「お、おい。こいつとんでもない姿だぞ! 捕縛せよ!」
俺は自分の姿を改めて見ると。
「だぁーーッッ 女物の下着じゃねぇか! これ」
言うまでもない。俺は大人しくお縄に付いた。
連行される途中、俺は衛兵たちに訴えた。
「俺は女神によって転生した勇者で賢者だ。話を聞いてくれ」
「勇者で賢者? 嘘を付くならもっとまともな嘘を付け、この変態野郎」
「いや、本当なんだ! 信じてくれ」
衛兵たちはまったく取り合ってくれない。このままでは罪人になってしまう。
「一つ聞かせてくれ、俺はこのあとどうなる?」
「このイラマチ王国ではわいせつ罪は即刻死刑だ。今から処刑場に連れて行く」
「国の名前がわいせつ罪なのにーーッッ」
まずい、非常にまずい。前世はシコり死。今世はわいせつ罪で死刑。
「終わった……もう一回転生できるかな……」
もういい。どうせ死んだ身だ。俺はこういう星の下に生まれたと思って諦めよう。
連行された処刑場――
広場に鎮座するギロチン。
「最後に言い残すことはあるか?」
法衣を着た聖職者らしき男が言う。
黒く乾いた血のついた首置きの感触が、人生の終わりを告げているようだ。
その時、眼下に剣が刺さった台座が見えた。
「あ、あれは聖剣だろ! 多分そうだ。抜いたものが勇者って設定だろ?」
俺は聖職者に叫ぶように問う。
「ああ、先代の勇者様が刺し、この百年誰も抜けていないが、まさしく聖剣セクスカリバーだ」
「セ、セクスカリバー……抜かせてくれ! 俺に抜かせてくれないか!」
「いいだろう。イラマチ王国法では、誰でも『聖剣の試し』をする権利を有する」
俺はギロチン台から解放され、聖剣が刺さる台座の前へと連れて行かれた。
(これを抜けば助かる。大丈夫だ。女神が俺に勇者の称号を与えたんだ)
裸にパンティー姿の俺を見つめる大勢の民衆。その視線は軽蔑そのものだ。
俺は覚悟を決めて聖剣の柄を握った。
「うっ……この感覚」
柄を握った瞬間。自分のムスコが握られた感覚がした。
力を込めて聖剣を抜こうとすると、少し動いた。
「おお! 動いたぞ。今まで一人として微動だに出来なかった聖剣が!」
ざわつく民衆。しかし、それよりも驚愕な現象が起きた。
少し抜けた聖剣と台座の摩擦と俺のムスコがリンクする。
今までに感じたこと無い心地よさに、ムスコが勃ちあがったのだ。
俺は聖剣を抜こうと上下に動かす。
ガシガシ――
そのたびにムスコに伝わる快感に脈打ち始める。
ガシガシ――
ビクビク――
ガシガシ――
ビクビク――
「ぬ、抜けるぞ! あの変態が勇者だっていうのか!」
ガシガシ――
ビクビク――
(う、凄い! 我慢できない……エ、エ)
「エクスタシィィィィィーー」
聖剣は剣先から純白な光を飛び散らして台座から抜けた!
同時にムスコの剣先からも純白な光が飛び散る。
「「「ヌいたーーーーーーーーー」」」
聖剣をヌいてあんぐりしている俺に民衆の視線が集まる。
「う……うそだろ?」
「これが我々が百年間も待ち続けた勇者だなんて」
「いや……これで世界が救われる……のか?」
「でもなんか」
「勇者が……いくらイケメンでも」
「こんな奴が勇者なんて」
「「「なんか嫌ーーッッ」」」
こうして俺は異世界で勇者になったのだった。
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