私の観測記録

榎本光稀

第1話

六月七日午後十二時十七分。

本日の来店人数四名。

本日の観測をしゅうりょ___


入口が開くのを確認。

推定十代後半。No.G329

学生服を着用していることから高校生と推定できる。

現時点での本日の摂取物はなし。


「いらっしゃませ。本日の朝食提供時刻は既に過ぎていますが提供可能です。いかがなさいますか」

「もう朝食って時間でもないと思いますけど……」

「はい。私の言う朝食とは本日初めての摂取物とプログラミングされております」


No.G329が席につくのを確認。

「すぐに提供いたします」


提供から五分が経過。

No.G329が摂取したものなし。


「……朝、起きれないんです」

No.G329の鼓動が早くなるのを確認。

「朝食、並びに昼食の欠食は著しく集中力を低下させます。また低下させるのは集中力だけではありません。本日朝食を摂ることはあなたに有効的だと判断します」


提供から三十二分経過。

No.G329の完食を観測。

「ごちそうさまでした」

No.G329の退店を観測。


六月七日午後十三時二分。

本日の来店人数五名。

本日の観測を終了する。




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