王都

「王都」


まごう事なき「王」が住まう「都」である。


「スゴイ!なんか、スケールが、違う、スゴイ!語彙力が、落ちる」


完全にお上りさんになってしまった私は

キョロキョロしまくった。

2人はそんな私を微笑ましく見守ってくれた。


「ほらカオリ、見物もいいけどまずはギルドに行かないと」

「あの調査員にも会わねぇとだろ?」

「ハッ!そうだった」


浮かれてる場合じゃなかった。

王都でやらなきゃいけないことが

まあまああるんだった。


そんなわけで、早速ギルドへ向かう。


それにしてもさすがは王都。

案内板がそこかしこにある。

とてもありがたい。

おかげで迷うことなく、ギルドにたどり着いた。


中に入り、滞在許可をもらい

魔石の買い取りカウンターに行き

ATMの残高を増やす。

ここに来るまでも魔獣ホイホイやってたからね。


滞在中に使うであろうお金を引き出すが

預け入れの方が多いので、まだまだ黒字である。


王都で買わなければならない物もある。

瞳の色を隠すためのサングラス

もしくは、顔を隠す仮面のような物が必要だ。


そんな風にこれからの予定を立てていると


「カオリさん!」


と呼ぶ声が。


何者かと振り向けば

そこにはコライ村で一緒だった調査員の1人

ラインさんがいた。


「ラインさん!お久しぶりです。お変わりありませんか?」

「えぇ、お陰様で。御三方のお力で問題も解決しましたし、今のところ食材不足になる気配はありませんよ」


ラインさんが後ろの2人に笑顔を向けると


「そりゃ良かった」

「えぇ、何よりだわ」


とご満悦なご様子だ。


あの時はちゃんと話をしている暇がなかったが

ラインさんはギルドの職員で

レオさんは王城勤めの官僚なんだそうだ。


私が王都に来ることは分かっていたので

ギルドに来たら、すぐにラインさんに

知らせが行くように手配されていたみたいだ。


「レオもすぐこちらに来るので、どうぞ奥の部屋でお待ち下さい」


私達は応接室らしき部屋に通されお茶を出される。


お茶をすすりながらのんびり待っていると

程なくしてレオさんが到着。


ひとしきり再会を喜ぶと

ラインさんが話を切り出した。


「それでくだんの依頼ですが、今回、私共の護衛とコライ村の救済に加え、野盗の討伐までして下さいました」

「騎士団からの報告では、あの野盗共、カオリさんにやられたことが余程堪よほどこたえたようで、まるで人が変わったかのように大人しくなったそうです」


ヴィータがピクッとした。


うん、君もあの時何かしてたよね。


しかし、その後のレオさんの発言に

私はお茶を吹いた。


「御三方のことを包み隠さず報告しましたところ、国王陛下が、ぜひお会いしたいとご所望なのです」

「ブフォッ!ゲッホゲホ!ゴホッ!」

「うわっ!きったねぇ!」

「ちょっとカオリ!お行儀悪いわ」


ここここ国王陛下!?


予想外の面会希望者に、目を白黒させた。

そして汚した床を自分で拭きつつ聞いてみる。


「な、なんでまた私なんぞに会いたいなどと?」

「それはもちろん、我が国の危機を救って下さった礼がしたいと。……それと」


そこまで言うと、今度は少し声を潜めた。


「やはり、契約者様が召喚されたということに、不安を感じていらっしゃるようです」

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