新しい体
私の問いに顔を見合わせた2人は
頷き合うとこちらに向き直り
自己紹介と、今後についての説明を始めた。
曰く、金髪美女が創造の神。
褐色イケメンが破壊の神とのこと。
……神様だった。
そりゃオーラも纏うし、思考も筒抜けるわな。
細々とした説明は追々すると言われたので
とりあえず、
彼等は、自分達が管理する世界の均衡を保つため
ある程度のスパンで、人間界へ顕現しなければ
ならないらしい。
しかし、今の状態では体が実態を伴っていないため
力を振るうことはおろか
人間界へ下ることもできず、今いる「待機所」から
見守る程度しかできないそうだ。
そこで、実体を持ち、人間界に下るために
媒体となる「ハシゴ」役が必要になる。と。
手順としては、まずこの2人の神様と契約を結び
私の体に宿らせてから、人間界に下る。
と、いうことらしい。
「え?私の体って、もう灰になってるって…」
確か、死神のおっさんがそう言ってた。
私の体はもう火葬されてるから
元の世界に戻ったら、浮遊霊になって彷徨うって。
「それなら大丈夫よ。こちらの世界でのあなたの体は、私が創るから」
さすが創造神!
人の身体を創り出すことなんて、造作もないのね。
…ん?
てぇことは、わざわざハシゴ役なんて使わなくても
自分達の実体となる体を創って
それを使って行けば良いのでは?
「残念ながら、そう上手いこといかねーんだわ」
破壊神曰く、無から有は産み出せないのだと。
創造と破壊は表裏一体。
人であれ物であれ、一度壊されたり死んだ後に
破壊神が回収し、自我や記憶、魂といったものを
黄泉の国へ送り出した後、残った物質を元手に
創造神がまた新しい命を吹き込んで産み出す
というサイクルを、延々と繰り返しているそうだ。
…卵が先か鶏が先か。みたいな話だ。
「なるほど。つまり、私の体も既に回収されているということですか?」
「そう!話が早くて助かるわ!本来なら、あなたが元いた世界は管轄外なんだけど、ここへ連れてくる人間の身体だけは回収が可能なの。一応ひな型はできているけど、外見に何か希望があれば反映させられるわよ」
「ほほう。それはそれは…」
その後、私と創造神は嬉々として
あーでもないこーでもないと言いながら
私の新しい体を調整していった。
ようやく満足のいく仕上がりになったところで
気になっていた疑問を投げかけた。
「で、契約ってどんなことするんです?」
「契約は簡単よ。私達に名前を付けてくれれば、それで契約が成立するの」
「名前?〜の神じゃなくて、人間と同じような名前を付ければいいってことですか?」
「そうだ。俺達に名前を付ければ、お前は俺達の宿主となり、俺達を使役することが可能になる」
「使役!?神様に命令して、働かせることができるってことですか!?」
「あぁ、だが1つ覚えておけ。契約が成立した時点で、俺達3人は謂わば運命共同体。心臓を共有することになり、俺達3人のうち、誰か1人でも胸を貫かれてしまえば、他の2人も道連れになるということを肝に銘じておけ」
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