枝垂桜

僕は桜が好きだった。

血の滝のような枝垂桜。

そこに茶色の花が咲いた。


柔らかな枝に、黒い花びらをもった茶色の花。

僕はそれが嫌いだ。

綺麗じゃない。

良い匂いもしない。

誰にも見られない。


だから咲いた。咲かせたのだ。

だからもう、どうでもいい。

誰にも見られないで枯れないかな。

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