第11話 段階的な反省
2012年11月14日 天気 時雨
夜の6時42分。
私はベッドに横になり、この頃の自分の行動を振り返っていた。
「『学園修羅場』のシナリオは、あの有名なダーク猟奇系作家・和泉明夫の作品だったな……」
青田寿子の黒化問題は一応解決したが、今は佐藤雅子と姫木静のストーリーを必死に思い出そうとしている。
姫木静——名前に「静」とついている割に、実はすごく活発な少女だ。
原作の中では、主人公・平田真誠と偶然の機会に知り合い、結局……
「くそっ!アニメでは青田寿子に平田のクソ野郎が殺されるシーンしか描かれてなくて、姫木の話が全然ないじゃん!」
私はベッドの中で、頭を抱えそうになった。
佐藤雅子はアニメの主要キャラクターだから、記憶はまだ鮮明だ。
「というか、俺たち四人合わせても、最強時期の寿子に勝てるのか?」
突如、ミステリアスな考えが頭をよぎった。
「いやいや、俺たち普通の人間が設定上最強の存在と戦うなんて、巨人がアッカーマンに挑戦するようなもんだよ」
結局、姫木静のストーリーは思い出せなかった。あの時OVAを買っておけばよかった。
あのOVAには平田とヒロインたちの、三本のハッピーエンド個人ルートが描かれていて、たったの599円だったのに。
原作の三ヶ月間のストーリー展開はこうだ。主人公・平田真誠は最初の月に青田寿子に告白し、月末には肉体関係を結ぶ。(第五話)
二ヶ月目には佐藤雅子と交際し始め、三ヶ月目の月初めにはまた少女の身体を手に入れる。(第十話)
(第六話から第十話まで交際期間)
姫木静は第九話で突然登場するキャラだが、このアニメには元々幼馴染みキャラなんて存在しないんだよな。
第十一話は一見平和だが、裏では殺意が渦巻く修羅場の光景。
第十二話では青田寿子が平田の浮気を知り、怒りに狂って平田を殺す。
最終回のタイトルは『寿子、柴刀、そしてクリスマス』。
これで一気に、この学園ラブコメ風の修羅場作品はダーク猟奇作品へと変貌した。
青田寿子がわずか12秒で七連続の刺し傷を与え、平田を瞬殺するシーンは、今でも鮮明に覚えている。
「ねえ……今、あなたと私だけなのよ……真誠くん」
あの一幕は、まさにヤンデレの極みだった。
当時、アニメ最終話が放送された際、東京中で数千組ものカップルが別れたという話だし、多くの人が家で包丁を使うのをためらうようになったとか。
……
2012年11月16日 天気 晴れ
朝の6時06分。
私はみんなを誘って朝ランニングに出かけた。特に九条良の野郎、絶対に連れてこなきゃならなかった。
「良、お前の目標は今月中にキロ5キロ減らすことだ!」
最初は俺たち五人で、キロ7分ペースで光ヶ丘公園をジョギングしていた。みんなは5キロ走ればいいのに、俺は良には6キロ走るように強要した。
「野、俺にちょっと優しくしてくれないか?寿子ちゃんに対する態度と比べたら全然違うだろ」
九条良は文句を言いながら、不満そうな表情を浮かべた。
ユーモラスな話だが、俺たち三人の男子は、日和と寿子の二人の女子に追いつかなかった。
寿子はいじめ問題をきっかけに目覚めてから、人間の限界を超えるような身体能力を発揮するようになった。
「キロ7分ペース……ちょっと遅すぎるわね」
寿子は軽くスピードを上げるだけで、キロ5分ペースを楽々と維持していて、全然疲れた様子がない。
俺の普段のランニングペースはキロ6分30秒だ。速くも遅くもない、平凡なスピードだ。
日和はその上、キロ6分10秒くらいのペースだ。
俺たち五人の距離はどんどん開き、すぐに良は最後尾に引き離されてしまった。
俺は良についていき、一緒にゆっくり走った。
「スピードは落としてもいいから、必ず6キロ走りきれ。焦らずゆっくりでいい」
俺は良の肩を叩き、自らスピードを落とした。
智也もスピードを落としてくれた。彼は別に疲れているわけではないが、良を置いていくのはどうかと思ったのだろう。
その間に、二人の女子はもう人影も見えなくなっていた。
「実は寿子ちゃん、スポーツ選手になってオリンピックに出場するべきなのに、平田みたいな薄っぺらい男と恋愛なんてする必要なんてないんだよな」
こんな考えが突然、俺の心に浮かんだ。
彼女の持つ身体能力は、スポーツ史に名を残すレベルのものだ。ただ、それはアニメの設定上の話だけれど。
「それに、任務を終えたら、俺はいつかこの世界から離れなければならない。寿子にも、自分の人生の意味を見つけてほしいんだ」
……
良がなんとか6キロ走りきるのに、丸々45分もかかった。
「家に帰ったら必ず体重計に乗るんだぞ!」
俺は彼に厳しく言い聞かせた。
「お母さんに言って、お菓子をしまってもらうよ」
佐藤智は微笑みながら付け加えた。
「智、野!お前たちは本当に悪魔だよな!」
九条良は涙目になりながら訴えた。
寿子と日和はずっと前に走り終えて、公園のベンチに座ってからもう20分近く経っていた。
「九条くんのお腹、私の家の石ころと同じくらい大きくなっちゃったわね」
日和は相変わらず、ぶっきらぼうな言い方だ。
「今のところだよ!一ヶ月あれば、絶対にすごく痩せて見せるから!」
九条良は不服そうに声を張り上げた。
「良、まずはお菓子を辞めることから始めたらどうだ?」
佐藤智は遠慮なく、核心をついた。
青田寿子:Õ_Õ
彼女にとって、太ることなんて至難の業らしい。
「寿子、最近調子はどう?」
俺は寿子とくだけたトークを始めた。
「海鳴くんと一緒にいられるから、とっても嬉しいです」
寿子の話し方も、俺に似てきたようで、非常にストレートだ。
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