ｼﾝｼﾞﾂ

男1

男は皆の様に生きて、皆の様に恋をした。

男は女を愛した。

女は男を受け入れた。

共に暮らした。

2人は金が無かった。

男は幸せだった。

女も幸せだった。

ある日、女がメガネを買ってきた。

女はオシャレだと言った。

男は褒めた。

そしていつもの様に、

「愛している。」

と言った。

翌日、女は消えた。

男は悲しかった。

男は女を見つけた。

高価な服に身を包み、

幸せそうだった。

男は幸せだった。

男は泣いていた。

男は驚いた。

男は嬉し涙だと思った。

その涙は止まらなかった。

男は驚いた。

自らの心に疑念を感じた。

男は真実が知りたくなった。