第19話

今日は、今日こそは独りを満喫しよう。

そう、思っていたのに・・・


「美咲君見て!ペンギンいるよペンギン!」

「美咲ちゃーん!お姉ちゃんと一緒にイルカショー見に行きましょう!」

「みっきー大人気だね~。なんか目が死んでる気がするけど~。」

「似た者同士好みが合うんじゃないですか?まぁ美咲さんには2人のお守りを頑張ってもらいましょう。」


何故か僕は水族館に連行されていた。

今日は姉が自宅に帰る予定だったわけだが、折角の日曜日だと謎に張り切った姉が星宮さんら3人を招集したのだ。

というかいつの間に連絡先を交換していたんだろう。

そんなわけで集まったメンバーで出かけることになり、今に至る。

帰りたい。


「美咲ちゃんは見たいお魚は居ないのかしら?」

「え?お魚?うーん...あっ、クラゲになりたい。」

「クラゲ?クラゲね、うんうん!いいじゃない!えっ?!なりたい?」


僕もクラゲみたいに穏やかな日々を送りたいな~。


「じゃ、じゃあ私とクラゲ見に行こうよ!」

「ちょ、結月ちゃんばっかりずるいわよ~!」

「私と夏姫はその辺ブラついていますね。」

「3人とも気を付けてね~!」





「美咲ちゃん見て見て!色んな種類のクラゲが居るわよ!」

「お姉ちゃん声が大きいよ。あとしゃぎすぎ。」

「咲良さんは今日も元気だね。私も負けてられないな。」

「えっと...その...星宮さんまで張り合わなくても...」

「...」


姉は僕と星宮さんを置いて奥の方のクラゲを見に行ってしまった。

まぁクラゲコーナーに居ればそのうち戻ってくるだろう......戻ってくるよね?


「ねえ、美咲君。まだ私相手だと話すの緊張する?」


星宮さん唐突にそんなことを聞いてきた。


「えっと...その...星宮さんだかっらってわけじゃなくて...あの...緊張してるわけでもなくて...言葉が...その...上手く出てこなくて...」


どう説明しようにも結局また言葉に詰まってまとまらない。


「あっ、ごめんね!ちょっとわがままだったね私。」

「そんなことは...」

「ちょっとね...美咲君が自然に話せる咲良さんが羨ましくなっちゃって...」

「えっ?」

「ううん、さっきのは忘れてね。ほら!見てこのクラゲ光ってるよ!」


見上げた星宮さんの顔が少し曇って見えたのは気のせいだろうか。

そんなことを思いながら見つめる水槽の奥に...なんか居る。

それは少しずつこちらに近づいて来て・・・


「見て見て美咲ちゃん!クラゲのぬいぐるみに、クラゲのキーホルダー!クラゲのマグカップに、クラゲの帽子よ!どう?似合うでしょ?」

「クラゲの化け物みたい。」

「なんでよ~!可愛いでしょ~?!」


全身にたくさんのクラゲグッズを抱えたモンスターこと姉が合流したことで直前までの考えは霧散していった。

=====================================================

最近本当に寒いですよね。

朝なんかは道も凍ってスケートリンクの様でした。

でも私は冬が季節で一番好きなんですよね。

理由は虫がいないからなんですけど。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る