第18話
今日は土曜日。
特に予定もなくのんびりできる日。
こういう日こそ独りを堪能できる。
朝の早いうちに家事は出来るだけしてあるので久々の読書時間を堪能中である。
時間を忘れて本の世界に入り込む、これは独りでなければ出来ない事だ。
今日は一日中これを堪能す・・・
「美咲ちゃーん!」
「ぐへっあっ!」
なんという事だ折角独りを楽しんでいたのに化け物に襲われてしまった。
そうだった、今はまだ姉が居ることを忘れていた。
「今日は一日中お姉ちゃんと遊びましょ!」
「あ、悪魔...」
「誰が悪魔よ!」
僕は悪魔の手によって外へ連れ出されてしまった。
◆
「それで、お姉ちゃんはどこに行きたいの?」
「特に決めてないわ。」
よし、置いて帰ろう。
僕が本気で引き返そうとしたところ・・・
「見て見て!そこの公園にクレープ屋さんが来てるわよ!」
「お姉ちゃん走るとこけるよ。」
「大丈夫よ!いくつだと思ってるの?」
クレープ屋を見つけて走り出す20歳。
いったいいくつだと思っているんだろう。
「すみませーんクレープくだうぎゃっ!」
姉は走った勢いのままキッチンカーに突っ込んだ。
数分後・・・
「ずびばぜんでじだー!」
「い、いえ...お気になさらないでください。ほら、車に傷は付いていませんし。」
姉が泣きながら店員さんに謝っている。
「えっと...その...姉がすみません。」
「いえ、本当に気にしな姉?!い、いえ...その...大変ですね。」
「どうも。」
なぜか僕の分のクレープがサービスになった。
◆
「この本屋さんなんてどうかしら?なんとドリンクバー付きのカフェが併設されてて買った本を持ち込んで読めるそうよ!読書好きの美咲ちゃんなら食いつ・・・」
「やめとこうよ。」
「なんでよー!」
「だってお姉ちゃん、黙ってると死んじゃうでしょ?」
こんなにうるさい姉を連れて本屋さんに入るなんて言語道断だろう。
「私の事なんだと思ってるのよ!」
「歩く公害。」
「思ってたよりも酷いわね...」
だいぶ抑えたつもりなんだが。
「私だって常に喋ってる訳じゃないのよ?いいから騙されたと思っていきましょ!」
結局姉にゴリ押され入店することに。
「僕適当に本買ってカフェに居るからね。絶対暴れちゃだめだからね。」
何か言いたそうにしていたが大きい声は出せないので一拍置いて首を縦にブンブン振った。
動きがうるさい。
僕は諦めて本を購入し、カフェスペースに移動した。
読み始めて数分後姉も読みたい本が見つかったようでカフェスペースに現れた。
買った本と凄い色をしたコップを片手に。
「お姉ちゃん、それ何?」
「これ?いいでしょ?ドリンクバーのジュース色々混ぜてみたの!美咲ちゃんも飲む?」
僕はそっと立ち上がり姉と少し離れた席へと移動した。
「ねぇねぇなんでお姉ちゃんかあ離れるの?」
追いかけてきた姉が小声で聞いてくる。
「人違いじゃないですか?私に姉なんていませんよ?」
姉が出禁になった。
◆
仕方が無いので僕も本屋を出て姉に合流した。
まだ鼻をずびずびしているが少しは落ち着いたようだ。
「美咲ちゃんの意地悪...」
「お姉ちゃんが子供過ぎるのが悪いんだよ?」
本当に世話のかかる姉だ。
「...なんで今日おでかけに誘ったの?」
「へ?なんでって、お姉ちゃん明日帰るんだけど...」
「そういえばそうだったね。」
「そういえばって...」
「寂しくないの?」
「え?!あー、サビシイナー」
「そんなにお姉ちゃんの事嫌い?」
「うーん、嫌いじゃないけど、もう少し大人しくなったくれたらなーって。」
「そこは嘘でも好きっていうところでしょ!?」
「あー、スキダヨウンスキスキ。」
「そう?じゃあチュウしてあげちゃう!」
「嫌い。」
「なーんでよー!」
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皆さんは兄弟や姉妹いますか?
私は妹が居るのですが、気が強すぎて怖いです。
性格は完全に私と真逆ですね。
次回さらば姉。
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