第16話 帝国からの挑戦状
アレンたちがトンネル開通騒動を起こしてから数ヶ月。 王城は、隣接する軍事大国『ガルディア帝国』からの使節団の来訪に沸いていた。
特別教室にも、招かれざる客が現れた。
「ほう。これが王国が誇る『特別選抜クラス』とやらですか」
教室の入り口で腕を組んで立っていたのは、豪奢な軍服に身を包んだ金髪の少年だった。 帝国の第三皇子、マクシミリアン。十三歳にして帝国の少年騎士団を率いるエリート中のエリートだ。
「セシリア殿下。生徒はたったの三人ですか? 我が帝国の選抜クラスは五十名。いずれも一騎当千の猛者ですが……王国の人材不足もここに極まれり、ですかな」
マクシミリアンは嘲るような視線を、アレンたちに向けた。 ランスロットが悔しそうに拳を握り、シャルロットが眼鏡の奥で冷ややかな光を放つ。 だが、アレンだけは違った。
「こんにちは! お客さんだね。あ、これ食べる?」
アレンはニコニコと近づき、自分のおやつであるクッキーを差し出した。
「なっ……無礼な! 私は皇子だぞ!」
「? 僕はアレン。よろしくね!」
マクシミリアンは顔を真っ赤にした。 この帝国の至宝である自分に対し、まるで近所の子供に接するような態度。屈辱だ。
「……いいだろう。その余裕がいつまで続くか。午後の合同演習で、我ら帝国の『本物』の力をお見せしましょう」
マクシミリアンはマントを翻して去っていった。 残されたセシリアは、こめかみを押さえた。
「はぁ……。ランスロット、シャルロット。午後の演習ですが……」
「分かっております、殿下」
ランスロットが不敵に笑った。 シャルロットも杖を弄びながら頷く。
「アレンの手を煩わせるまでもありません。私たちが『教育』して差し上げますわ」
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