第6話
彼女の給料を見て一気に怖くなった私達夫婦は、この機会にA社の経理を調べてみる事にしました。
あきのは高い給料に付け加え会社のクレジットカードを毎月20万近く、湯水の様に使っていた事も分かりました。
使い道としては通販で自分の洋服を注文したり、1点5000円以上する高級スイーツをお取り寄せしたり、時には高級ブランド品を購入するのにも使われていました。
毎週末の様に県外の観光地へ出掛けていた様で、勝手に彼女専用のETCカードやエクスプレスカードも作られており、
その請求だけでも毎月3万円以上でした。
年に数回の飛行機やホテル代も合わせるとそれだけで一度に10万円以上使っている月もありました。
そして、1番驚いた事は。。
義父は自分の給料を0円にしていたのです。
給料がゼロです。
母の死後すぐに、義父は自分の給料を0にし年金をもらって生活をしていたようです。
そして自分の浮いた分の給料を代表である主人へ何の相談もせずに全てあきのの給料へ上乗せしていたのです。
退院してきた義父に主人はまず、なぜ彼女の給料がここまでに高額なのかを問い詰めました。
しかし、父は固く口を閉ざし問いかけに一切答えようとはしませんでした。
兼ねてから仲の良い父とあきのは愛人関係にあると社内や取引先でも噂をされていました。
しかし、妻思いの義父に自分の娘よりも歳下のあきの。
義父が私達に対してその噂を全く否定していた事もあり、
私達も、義父は従業員思いで距離が近く思われてしまっているのだろう…と、
俄かにその噂を信じる事はできませんでした。
そんな疑惑の最中、あきのが突然会社を12日間休みました。
「コロナに罹ったので休みます」と主人にメールが来てから12日間もの間無断欠勤になりました。
この頃のコロナの療養期間は隔離も解除されており、最長で5日間でした。
療養期間を過ぎても出社しない彼女に、主人が連絡を取ろうとすると
義父から
「コロナの後彼女は有休を使って淡路島へ旅行に行っている。ちゃんと社長には伝えたと本人は言っている」と言い、
彼女の勝手な行動を注意するどころか、またあきのを庇いはじめたのでした。
それならばせめてコロナの治癒証明を出す様に主人があきのへ求めました。
しかし、12日後に何食わぬ顔でいつもの10時半に出社してきたあきのは、
眉間にシワを寄せ
「そんなもの出すなんて聞いてません」とのひと言だけ残し、
また颯爽と自分の部屋に入って行ったのでした。
その後も義父は主人の指示を無視して、あきのへの特別待遇を続けました。
父が退院後も、A社の従業員がいない中私は1人で出荷作業を続けました。
間近で見て知った彼女の行動パターンは。
毎日あきのは10時半に出社してコーヒーを手にするとそのまま退院してきた義父のいる部屋に1時間程篭り、
中からは2人の楽しそうな話し声が聞こえていました。
そんな最中私に対して義父はというと、
「みーちゃん、ちょっと頼まれてくれる?」と、手を合わせながら真夏に船コンテナ1つ分の何百キロ分の荷物を2階の倉庫へ運ぶ様にお願いをし、
あきののネイルで輝く指には荷物に触れさせる事もしませんでした。
昼前になると義父とあきのは車に乗って毎日2人でランチへ出かけて行きました。
ランチから戻り15時過ぎになると義父とあきのはまた車に乗り、スーパーやコストコやアウトレットへ買い物に出かけていきました。
この間、私と主人は放ったらかしにされたお客様を無視する事なんて出来るはずもなく、
パンもかじれないほど慌ただしく労働していました。
主人はA社の代表取締役ではありましたが、これまで一度もA社からお給料が出た事はありませんでした。
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