第8話
車中にて二人とも、なんてこともなく黙ったままでいたのだが。
トモくんが口を開いた。
「僕の奥さん、ハルさんはね。霊感みたいなものがあるんだよ。
あと、人見知りで人の好き嫌いがはっきりしてるから、よっぽど気に入った子じゃないと、店に寝泊まりしていいなんて言わないんだよ。
ましてや家に住まわせたのなんて、ユカちゃんが初めてだ」
「え? そうなの? 今はみんな借家に住んで独立してるけど、初めはハルさんやトモくんのお世話になってたんでしょう? しょっちゅう家に居候が存在してると思ってた」
いつも来てくれる馬好き
そこには女の人もいたし、中でも助っ人の一人と結婚した、私の前にお店にいたという女性は、ハルさんと今でも超仲良しじゃん。
「それは最初ユカちゃんにも提示した、三角小屋、裏庭、夜間の店内のみだよ。倉庫で荷物も預かるけど。母屋に上げることすら滅多にしないんだよ」
そういえば、私が煎餅布団と寝袋を夜に敷く畳の部屋で、三人でゴロゴロ寝転びながら
他の人がいるときは、お店でしかやらなかったかも。
「だから、初対面の君への彼女の申し出に、正直面食らったよ。さらにあの後、『あの子とても心配だから一人にしないで。トモくんがなるべく一緒にいてあげて』って頼まれた」
「そんなに私、頼りなく見えたの?」
ええ〜、なんだかちょっとショックだ。
「いや。でもハルさんの勘は外れたことないから。
最初は気をつけて君をみてたけど。別に自殺しそうだとか、精神が不安定な人じゃないってことはすぐ分かったし。むしろいろいろ手伝ってくれてありがたかったよ。ユカちゃんと一緒の馬仕事は楽しかったから、すっかり忘れてた」
わ〜そうだったんだ、ますます驚いた。
「きっと今日みたいなことの意味で心配だって、ハルさんは思ってたのかもね。帰ってから二人でゆっくり話してごらん」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます