第6話 この世界の神様ってマジ神じゃね?
翌日も、翌々日も、その後も、日々増えて行く瓦礫の量に苦悶しながら行軍について行った。
身体も以前より大分良くなったと思う。
何と言うか要らない肉が無くなって、欲しかったお肉は手に入った的な?
所謂、ナイスボディーに近付いた感じ?
まあ、まだ一週間も経った程度じゃ筋肉は増えたか分からないけど、以前より力は付いていると思う。
きな粉汁にも、もう慣れた。
と言うか諦めた。
正確な量は分からないけど、少なくても一日三リットルは飲んでると思う。
絶対に飲み過ぎだと思うよ?
何とか〈異世界だから〉で身体に悪い影響が出ない事を祈りたい。
でも、きな粉の繊維のお陰か、お通じは絶好調だ。 以前とは違ってとても快適だ。
肌が艶々になったのも多分、そのお陰だと思っている。
更に二週間が経ち、元々完全にテルミナス教の信仰国がある地域に入った。
その間、私は行軍の最中、師匠から手渡された神聖魔法の教本を読み、神聖魔法への理解度を高めた。
この教本を作った人は凄い人だと思う。
ここまでの間、師匠を含めたガチムチさん達と話をしたり様子を見ていたが、地頭は決して悪く無いし、寧ろ良いと思う。
けど残念な事にその優秀な脳の容量の三分の二は戦闘か筋肉の事だ。
つまり、残りの三分の一で記憶と一般教養や道徳等を詰め込んでいる状態だ。
それを如何に残りの三分の一の方では無くて、戦闘や筋肉の分野で神聖魔法を理解させようとしている。
そして単純に解りやすい。
これを作った人は天才に違い無いと思った。 だからこそ、ガチムチさん達の殆んどが神聖魔法を行使出来る様になったと思う。
そしていよいよ、洗礼を受ける事になった。
偶々選んだこの街に司教様がいらっしゃって、私の洗礼をしてくれるそうだ。
司教様が祝詞を唱え、洗礼と共に私は祈りを捧げる。
「改めて初めましてテルミナス様!
私はソーニャと申します!
これからも沢山勉強しますので[クリーン]を始めとした神聖魔法を使える様にしてくださいっ!」
と師匠の教えの通り、大声で祈りを捧げた。
《いいよ♪ おっ、[アンチカーズ]まで使える様になっているね。 加護も付いている様だから後で確認してね》
この世界の神様凄いよね?
たかが、人一人の祈りに個別に返事するだけじゃ無くて、魔法まで授けてくれるって本当に神様だよねっ!
[クリーン]も[ヒール]も使える様になっているね。
加護が付いているんだったね。
私の加護はなんだろう?
………………二つもあるっ!
一つ目は、【超回復の加護】
二つ目が、【幸運】
【超回復の加護】は鍛えれば鍛える程強くなり、体力の回復も身体や内臓等をより健康と言える状態にしてくれる。
だから、師匠のハラスメントを超えた厳し過ぎる鍛練も
感謝しかない。
【幸運】は、ほんのり運が良くなる。
これは地味にあり難いね。
前世は不幸では無かったけど、運が良いとは云えない人生だった。
今生は帝国民だよ? この時点で運が良いとは口が裂けても言えなかったよね?
再びテルミナス様に祈り、心の中でお礼を伝えた。
[クリーン]さえ使えれば何とかなる。
もう、自分の汗でビシャビシャな服を洗わなくて良くなったから快適に暮らせそうだ。
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