第3話 おおっ! 飯バフか!

名前 ゴブタロウ

年齢 09

種族 ゴブリン

ジョブ 料理人

レベル 5/max10

HP 25/25

MP 12/25

攻撃力 9   防御力 8

素早さ 49  精神力 25

スキル   調理(SS)

魔法    火属性魔法(Lv1/maxLv1)

アビリティ 脱兎、地獄耳


「おおっ!」


 思わず声で出てしまった。


 視界の一部にステータスと思われる数値が現れたのだ!

 どうやら、ユグドラシルのコマンドは使えるらしい――


「しかし、レベル低すぎだろ!」


 まあ、ゴブリンなのだから期待はしてなかったけど、それでも酷すぎる。

 この数値の示すモノがユグドラシルと同等なら、初心者に毛が生えた程度のプレイヤーにさえ瞬殺されるレベルだ。


「それにしても攻撃力、防御力が一桁って終わっているだろ」


 素早さに振り過ぎだ。これじゃあスライムにも勝てないぞ。

 スキルも調理しかない。まあ、SSというのはさすがというところだけど……


 これでどうやってレベル上げすればいい?


「あれ? そういえば、見慣れない文字が」


 レベルの部分だ。スラッシュの右側にも数値が――

 プレイヤーのステータス表にはなかったものだ。


「これってレベルの最大値が十ということかぁ?」


 そういえば、ユグドラシルに登場するゴブリンは強くてレベル十程度だった気がする。


「ま、待て、それじゃどんなにレベル上げしてもレベル十にしかならないということじゃないか!」


 オレは絶望した。


 ユグドラシルでプレイヤーレベルのカンスト値は百。ほとんどのプレイヤーがそのレベルかそれに近かった。仲間にできるNPCでもレベル五十以上はごろごろいた。

 つまり――


「ゴブタロウをカンストのレベル十まで上げても、冒険者相手なら簡単に倒される――というわけだよな……」


 これで生き抜けなんて、クソゲーもいいところだ。


「いったい、どうすんだよ」


 何か方法はないのか?

 とはいっても、ゴブタロウは非戦闘スキルの調理しかない……


「……ん? 待てよ。ゴブタロウの作った料理はバフ効果があったよな?」


 ステータスなど、ユグドラシルと同じ状況なので、バフ効果も存在している可能性はある。


「そういえば、持ち物は確認してなかったな。どうやったら見れるんだ?」


 リュックの中を見たが、真っ暗で何も見えない。手を突っ込んだが何も触れなかった。

 これも、ユグドラシルどおりなら……


「ストレージ、オープン」


 今度も視界にウィンドウが現れ、アイテムが表示された。


「よっしゃぁ! しかも、いろいろと入っているじゃないか!」


 食材に調理器具。調理済の料理もいくつかあった。


「ハラも減ったし、なんか食べてみるか……」


 調理済料理をひとつ取り出してみる。方法はユグドラシルの時と同じく、『テイクアウト』と言ったあとにアイテム名を言うだけだった。


「おお! ホッカホカで出てきたぞ!」


 取り出したのはワイルドボアの串焼き。さっそく、口にしてみる。


「ウマイ!」


 炭焼きの香ばしさ、噛めば噛むほど湧いてくる肉汁。素材そのものの旨味にマッチした甘辛のタレ。こんなにうまい肉を食べたのはいつ以来だろう……


「さすが、ゴブタロウ、調理スキルSSはダテじゃないな」


 オレは無我夢中でそれを食べ切った。すると、視界の右上になにやらアイコンらしきものが浮かび出る。


「ん? なんだこれ?」


 そちらに視線を送ると、『HP+100』という文字が現れた。


「おおっ! 飯バフか!」


 それもHPが百も上昇⁉

 ユグドラシルでの飯バフ効果はせいぜいプラス十程度だった。なんというチート。

 他にもアイコンがあるので、順番に見て見ると――


『攻撃力+100』

『取得戦闘経験値二倍』

 

 えっ? 取得経験値が倍増?

 そんなバフ効果はユグドラシルになかったぞ?


 つまり、この世界では、ユグドラシルよりバフ効果がより強化されているようだ。


「これって、スゴいんじゃね?」

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