第7話 少し変わった日常

 ダンジョンを攻略し、「隠密のローブ」と「変装の仮面」を手に入れてから一日が経った。今日は学校がある……受験が近くなってきたので教師からゲーセンじゃなくて塾に行けと言われそうなんだよなぁ。,

 学校までは電車で言っている。徒歩じゃ時間がかかりすぎる…が、ホルダーとなってからは全力で走ったほうが早く着けるとなんとなくわかっている。


 学校に着くと校門前に人だかりがある。制服からして1年生だろう。面倒事は避けて生きる、これ常識。というわけで謎の集団を避けて校舎に入った。

 教室に入り自分の席に着く。軽くストレッチをしてから日課の音ゲーをやる。ホルダーになってからどんなことも簡単にできてしまう中で、この音ゲーだけは楽しめている。朝のあれこれが終わると放送が流れた。


『全校生徒の皆さん、おはようございます。今から全校集会を始めますので、講堂に集まってください。』


全校集会…十中八九ホルダーに関することだろうな。なにか重大な発表があったのか。まぁ、話を聞かないことには始まらないな。行くか。


「よぉ雷斗! この集会ってやっぱり………?」

「あぁ佐原。多分ホルダーになにかしら関わってくるだろうな」

「だよな! く~っ!俺にもスキルがあれば、女子にちやほやされんのかなぁ」


こいつは佐原琉晟さはらりゅうせい、一年のときからのクラスメイトだ。顔はいいのだが、性格面がR18の方向へ振り切れているため女子からは避けられている。顔はいいのだが。

なにやら前の方が騒がしい。面倒な予感しかしない。


「オラ邪魔だ! どけ!」

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