禿げを恐れる高校剣士 vs それを励まそうとする親友。
たったこれだけの題材なのに、どうしてここまで面白くなるんだ……!
彼女の無自覚な一言で人生が揺らぐ正道の繊細さ、
それに爆笑しつつも寄り添おうとする誠の不器用な優しさ──
そのやり取りだけでも青春の味わいがあるのに、
後半から突然始まる “武士の剃髪は禿げ隠しだった説” の虚言昔話がとにかく最高。
侍たちの見栄と誇りと同調圧力で髪がどんどん失われていく狂気の展開に、
読んでいるこちらも笑いを堪えられない。
最後のオチまで綺麗に決まる、
気軽に読めてしっかり笑える青春コメディの逸品です。