滝の俳句
大和滝
いとうみこと様自主イベント用 51回「熊」
ごうごう雪
吹く下あくび
冬こもり
冬こもり
熊は羊の
夢見るか
潜り冬
籠りただ待つ
桜の木
こちら二つは今の季節ぴったりの冬のクマについて詠んでみました。
「冬こもり」
冬眠と同じ意味合いで使えますが、今回はヒグマのもにとして使わせていただきました。
その他のツキノワグマやホッキョクグマなどの冬眠は目を覚まさずに身体の代謝を抑えてジッと眠るというもので、冬眠という字にぴったりですね。ですがヒグマは少し違います。
ヒグマの睡眠は浅く、穴蔵の中で目を覚まして動くことも可能です。しかしこの際一応他のクマ同様に体温を低下させて代謝も下げている状況であるためとても穏やかです。しかも食事も摂らず排泄も一切しないんですよ。このことからヒグマの睡眠はただ寒さを凌ぐために引きこもっているように見えるから冬こ(ご)もりと言われるとか…
一句目は睡眠の浅い中、ふと寝起きにはきっと、他のクマは聴くことのない吹雪の厳しい音を彼らは聴いてるだろうと思い読みました。
二句目は、睡眠の浅いヒグマは人間で言うところの「レム睡眠」に近いのではと思って、もしかしたらヒグマは夢を見るのではと詠みました。フィリップ・K・ディックという方の『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』を踏ませていただきました。
三句目は単純です。冬眠をするクマやその他動物たちが待ち望んでいるのは紛れもない、いずれも「春」を待っています。厳しい季節を超えた生命にとって日本の桜はとても綺麗でしょうね。まあ、桜の色を識別できる動物はあまり多くはないかもしれませんがね。
滝の俳句 大和滝 @Yamato75
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