ドレッシングエッセイ

鏑木レイジ

第1話グラスエッセイ

 透き通るような気分がしている。

 グラスを見つめながら、そこに入る緑のお茶を見つめている。

 色々なことがある。人生は。

 笑ったり泣いたり、怒ったり素敵な気持ちになったり、落ち込んだり。

 グラスエッセイ。

 そんな題名で、今こうして、思いを綴っている。

 私のスピーカーから、ジャズが流れている。

 小さな部屋で、考えている。

 考えるということは、少なくとも、自由を制限することだなと思う。

 空の色を想像して、朝を待っている。

 朝になったら、朝日が昇って、鳥が鳴いて、私は、ベランダから、忙しなく動いている虫たちの気持ちを想像する。

 きっと気分は乗ってくる。

 そう思えれば、幸せじゃないか。

 悩みとか、小さなことだね。

 と口に出す。

 それよりも、グラスに入ったお茶を口に持っていく。

 こんなことの方が、人生を考えるより、大切なんじゃないかなと思って、お茶を飲み終えると、ジャズに耳を傾ける。

 それからというもの、あの日の、草は、青々と茂っていた。

 そんな光景が、瞼の裏に走って、冬の景色もいいものだけど、新緑を思って、また眠ろうか。

 階段の軋む音。

 寒さで、木の板も、ブルっと振るえるのか。

 そうしてそっと笑って、外に出てみたくなる。

 きっと外は静かだ。

 せめて、ジャズを聴いていると、多くのことがどうでもよくなってくるね。

 明日も昨日も、何か、こう切迫すれば、不快だが、そんなものと思えば、そんなもの。

 名もない草花に、挨拶したい。

 気分はジャジーになって、ハイになる。

 と言う気分だ。

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