3話 友達への紹介

放課後、校庭の隅で琉華は莉音に向かってにっこり笑った。

「よし、今日は俺の友達に紹介してやるぜ。あいつらもきっと喜ぶぞ」

「え、そ、そうですか…緊張しますね」

莉音は少し頬を赤らめながら、そわそわと手を握りしめる。


琉華が先導して歩くと、友達のグループがベンチに座って話していた。

「おーい、琉華!今日も元気だな!」

「おう、みんな、こっち来いよ!」


琉華は友達たちに向かって胸を張りながら紹介した。

「こいつが今日から俺のクラスに来た転校生、有栖川莉音だ!」

友達たちは一斉に目を見開き、声をそろえる。

「え、かっこいい!」「男前じゃん!」


莉音は男らしい見た目に注目されるも、声は可愛く、友達たちは思わずクスッと笑う。

「そ、そうです…よろしくお願いします」

少し照れながらも、莉音は頭を下げる。


琉華はその様子を見て、にやりと笑った。

「ほら、俺の友達だ。緊張しなくていいぜ」

「はい…ありがとうございます…」

友達たちも優しく迎えてくれて、莉音は少しずつ笑顔になった。


「さすが琉華さん、みんなとすぐ打ち解けてますね」

「へっへ、まぁ俺の仲間だからな。莉音もすぐ馴染めるぜ」

琉華の男前で頼もしい一面に、莉音は心が温かくなるのを感じた。


その日、二人の絆はさらに深まった。

琉華の友達に囲まれながらも、莉音は自然と琉華の隣に立ち、少し特別な安心感を覚えていた。

「この子と一緒なら、どこにでも行けそうだな」

琉華もまた、莉音といることで感じる小さな幸せを胸に秘めたのだった。

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