第3話 夏の再会
僕が中学校時代の呪いを再認識したのは、大学1年生の夏の終わりだった。
あの頃、旧友と繋がる場所と言えばSNS。恐らくその黎明期。今となっては、誰も更新すらしていないのではないだろうかと思うと、意外と更新されているので驚く。
ある日、僕はある1人の女の子からの友達申請を受け取る。
内容は、シンプル。
久しぶり。わたしのこと覚えてる?
忘れるはずはなかった。僕たちは、噂によって互いを意識しながら、敢えて距離を取ったような間柄だ。その距離感に意味があり、届きそうで届かない。だから、恋愛感情以上に気になる存在。言って仕舞えば、恋愛感傷。直接関与しないまま中学校を卒業したじゃないか。
二度と繋がらないはずの彼女と再び再会した僕はには二つの感情が芽生えた。
繋がっては危険、でももしかして運命的なやつ?
正直、答えはどちらでもなかった。僕たちのやり取りは、至極自然過ぎたし、何なら僕は彼女に中学校時代の誤解を解きたいと切に願っていた。
彼女も中学校時代に触れなかった。しかし、そのタイミングを避けているのか、彼女は異様にフレンドリーだった。
可笑しい。僕たちは、面と向かって話をしたことがなかったはずだ。この夏のふとした再会は、疑念に変わり。冷淡な別れへと続くことになる。
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