*中巻後篇(「終幕と開幕の調べ」)の振り返り
情報戦を含め数ヶ月間に渡る戦いが、ようやく終わった。
エドガー海賊団とフランス海軍――直接の戦闘はここブレスト司令部で繰り広げられ、三度にわたり大元帥エリオット・レオパード自ら指揮を取った。
エドガー海賊団は、他の海賊団をかき集め強大な組織として立ち向かってきた。
大海賊エドガー・ロジャースは、支配欲と復讐に心を蝕まれた暴君。彼の復讐の矛先はマクシミリアン・ブーケ隊に向けられていた。
この戦闘の最中にかけがえのない命を奪われた。仲間であったメリッサ・カンパネッラ。彼女を失った悲しみを胸に抱きながら、マクシミリアン・ブーケ隊は戦い続けた。
その陰では、かつてソフィーと縁ある五人組の海賊、五鬼衆が静かに暗躍していた。彼らの壮大な計画の手の内により、エドガー・ロジャース率いる海賊陣営は内部混乱から失脚し、結果はフランス海軍の勝利に終わった。
波乱の戦局の裏で、マクシムと五鬼衆によってエドガー・ロジャースは討たれ、ソフィーは思いもよらぬ形でマクシムの口から長く追い求めてきた真実を知ることとなった。
「大海賊ゼフィランサスを殺された怨みを晴らすため、海軍のトップを討つ――」
復讐心は彼の胸中で確かに続いていた。
ソフィーはその真実を前に肯定も否定もせず、ただマクシムが道を踏み外さぬよう、別の道を模索する決意を固めた。
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