第26話 イベント準備
〈第1回公式イベント【第1回闘技場大会】の開催について〉
全プレイヤーの皆様へ。
常日頃からAnother Magia Onlineをプレイして頂き誠にありがとうございます。
この度は第1回イベントの開催を発表すると同時に、その詳細についてご説明いたします。
・イベント名:第1回闘技場大会
・日時:8月23日土曜日10時〜
・場所:イベント専用フィールド
※噴水広場または、ログイン画面から転移できます
・参加方法:選手・生産・観客・賭博
・詳細:〜〜〜
「ってな感じらしい。私はもちろん選手として参加するけどね〜」
「だろうね。ボクは日和の応援でいいかな。」
「え?まじ?」
「まじまじ。だって戦うのはそんなに得意じゃないし。」
1体1のPvPってやつでしょ?
あんなデカイ
「そっかぁ。茜と決勝戦で戦うの楽しみにしてたのにな〜。」
「ボクはプロ相手に勝てないからね?というか、自分は決勝まで進めるの前提なんて凄い自身だね⋯⋯」
「ふふん、もっと褒めたまえ〜」
別に褒めてはないが?
朝日がスポットライトのように照らし、両手を腰に当てて胸を張る彼女の姿を見ると、本当に優勝出来る気がしてきた。
「まあ、詳細の1番下にも書いてあるけど、今回のイベントは参加方法問わず、優勝選手を予想して、ゲーム内通貨を賭けることができるからね。」
「⋯⋯ほんとだ。単勝と三連単ってやつか。三連単の方が高倍率なんだっけ?」
「そう。という訳で、黙って私に投資しなっ!」
言われなくてもそのつもりだったが、そのセリフが言いたかっただけなのでは?
「はいはい。それで、あと2人はだれに投資すればいいの?」
「2日後に対戦表が発表されるからその時また言うよ。2位は無理でも、3位はこっちで調整できるからね」
そう言って、長めの姫カットを人差し指でクルクル回す日和の顔は悪巧みを考えている少年のようだった。
「あ、そうだ。もし今日ログインするなら最初からアルフロンにリスポーンした方がいいよ。」
「なんで?」
「なんでってそりゃ、新規さんが一斉に入ってくるからね。有名人の茜がグラファスをうろついてたら囲まれちゃうよ?」
えぇ⋯⋯ボクは別に整った容姿もなければ、プレイヤースキルが高い訳でもないよ?
「そうかな?」
「多分だけどね。AMOは、全く無名の人を登録者50万人の配信者にするくらい影響力のあるゲームなの。技術やデザインもさることながら、経済を動かすほどのお金が回っているからね。」
たしかに、リアルさながらの動きと設定。グラフィックや五感はもうひとつの世界といっても過言ではない。
「で、ほんとに観客でいいの?」
「うーん、最近覚えたスキルがあるんだけど、それを使えばなんか作れるかも?」
花飾と発酵で何が出来るんだろう?
まあ、花飾は花さえ関わってればなんでもできるんだろうけど。
「まあまあ、日和大先生に言ってみ?案外ポロッと解決するかもよ?」
「うぅ…」
まあ、こういうスキルを持っている位は言ってもいいんじゃないかな?
それからボクはスキルの詳細を話、どういうものが出来そうか聞いてみることに。
「――ってな感じで」
「なるほどね〜。そんなの酒造一択じゃない?」
「お酒?」
「おん、お酒。茜ってアルコール生み出すというか、勝手に生成されるアイテム持ってるじゃん。液体に発酵スキル使った時点で、万酒の結晶が発動するでしょ?」
「おぉ、そういえばそんなの持ってたね。じゃあ、ラビちゃんの蜂蜜使ったり、薬効のある花を使えば香り付けもできる!」
うんうんと頷いている日和。
まさか、日和に相談しただけで、これ程までにやることが明確になるとは思わなかった。
やっぱ持つべきは廃人ゲーマーの友達だね。
「さあさあ、ひと稼ぎしようぜ相棒!」
「うんっ!」
コツッ
合わせた拳に感謝を込めて、ボクは放課後AMOにログインした。
今日からはもちろんお酒作り!
いつものデイリーシナリオをやりつつ、ちょっと作戦を立てるよ。
すぐにお酒を作れる訳じゃなくて、まずは材料費を稼ぎつつ、付けたい香りを第2エリアで探していく。あとは可愛い感じのパステルカラーの配色も記憶していかないと。
容器はAMOシステムのイベント特設サイトで貸し出されてるやつを使おうかな。
ちなみになんで第2エリアかというと………
「人多すぎだね……転移アルフロン」
興味本位でグラファスに来てみたけど、日和に言われた通り、新規さんが大量に来ていたので、暫くはアルフロンを拠点に活動していくことにした。
グラファスにいる皆とも、もっと仲良くなりたいし、知りたいこともまだまだ沢山ある。
ボク自身、永遠のお別れという訳ではないから、そこまで寂しさは感じてないのかもしれない。
とにかく、今日は1人でアルフロンを西側に抜けた草原を探索していくよ!
掲示板によると、綺麗な花畑や透明度の高い湖があるらしい。その植生は気候を問わず、世界各地の植物が生えているとか。そこはファンタジーってやつだね!
出てくるモンスターはすべて植物系。火魔法がよく効くらしいけど、周りの植物に延焼するのは絶対に避けたいから、水魔法だけでいくよ!
インベントリもなるべくスカスカにして、採取用の安いハサミも買っておいた。使うか分からないけど、一応解体ナイフも新調したから準備に不足は無いよ。
「じゃあ行きますか。スピードブースト、エンチャント・スピードブースト」
日和ほど速くはないけど、これが今のボクに出せる最高速度。一気にレベルがあがったのも相まって、歩いてる他のプレイヤーの背中をどんどん追い抜いていくよ。
そして、出発から約30分、ボクは今マップで言うと3分の1くらい進んだ小山を見上げているよ。
【カニバレシア】
レベル18
だいたい何でも食べる雑食植物。特殊な匂いを放ち、多種多様な状態異常を引き起こす。疑似花で何かをおびき寄せているとか……
「うわ、結構でかいしグロテスクな顔してるな……」
大きさは約5mくらいかな?見た目的には、某有名ゲームの土管の中に潜む敵キャラクターを人面にした感じだから、苦手な人はほんとにだめそう。
特に日和とか……
「というか、目がないのにどうやってプレイヤーの場所を感知してるんだろう。」
目の前のプレイヤーがカニバレシアに後ろから切りかかろうとしたけど、4本の長い蔦に防がれてしまったのを見てそう思った。
「掲示板に書いてあるかな―――お!これかも!」
検証スレという、場所に書いてあった植物系モンスターの弱点という項目だ。
火属性の攻撃手段は勿論、切断面を焼けば再生能力が格段に落ちたり、その場から動けなかったりという弱点が存在する。
だが、最も気になったのは根が地上の振動を感知し、逆に露出させれば弱点になるというものだ。
「これは新技の出番かも?」
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