ヒトノユメ(人ノ夢)

赤槻春来

第1話

 ただ赤く、視界いっぱいに広がる枯れた大地。


 白く、血色の悪い腕を伸ばし、転がる動物の死体に手を伸ばす。


 ──どれくらい、歩いただろうか…?


 ──自分は一体、何者なのだろうか?


 大切だったはずのものを探して、ただ「帰るべき家」を目指す。

 何が大切なものか、それがどこにあるかもわからない。


 口に含んだ固い肉を飲み込んで、赤く淀んだ水を啜る。


「僕は───」


 無意識に言いかけた口を閉じて、再び地面を踏みしめる。


 きっといつか、「帰るべき家」に辿り着けるとそう信じて。

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