第2話 トマトの冷製パスタと抹茶アイス
そして当日、東京駅で待ち合わせた。
彼女は恥ずかしげもなく両手を広げて待っていた。相変わらず可愛いなと思いながら僕の方が恥ずかしかった。
恥ずかしさもあり小走りで駆け寄りハグに応じた。再会して初めての会話は
ただいま、おかえり。
懐かしい。懐かしいけど一瞬にしてあの瞬間に戻った。
彼女は何も変わっていなかった、海外かぶれでもして帰ってくるんじゃないかと内心ひやひやしていたが何も変わっていなかった。
いや、匂いは変わっていた。彼女と会わなくなってからもよく街中で探したあの香り、僕の大好きなあの香り。
もう一度彼女から感じたかったと少し残念に思ったが、それは心の中で留める事にした。
そして僕たちは早々に昼食をとりに行った。
平日で昼時を過ぎていたこともあって、有名店でも並ばずに入ることが出来た。外に出れば10秒ほどで汗が流れ落ちるほどの酷暑だったので、直ぐに入店できたのはかなりありがたかった。
メニューを眺めながら背中をつたう汗がスっと乾くのを感じた。
あの頃もこのくらい暑かったなぁと思い出していたからか長らくメニューを眺めてしまっていた。ようやく2人とも決まり、僕はトマトの冷製パスタ、彼女は抹茶アイスを注文した。飛行機で少しご飯を食べたそうだ。付き合わせてしまい申し訳なく感じたが、彼女は幸せそうな顔で抹茶アイスを味わっていた。
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