第4話
お父さんとお母さんを憎んでいるわけじゃない、でも漢字にするとちょっぴり男の子っぽいその名前。そんな名前を、その人が呼んだら一気に明るくなったような気がして顔を上げてみたら、目が合った声の主を見て心臓が止まるかと思った。
だって、さっきわたしを冷たく突き放したあの人と同じ顔をしていたから。けれど表情や雰囲気、オーラがさっきの人とはまるで違って明るくて、きらきらしていて、それから──
目の前にいたその人をまじまじ見つめて考え込んでしまったのだろうか。油断というか、隙があったというか、とにかくわたしはまた、目の前の人に見惚れてしまっていたのだ。
だから、その人が腰を折って、わたしの顎に手を添えて、そっと近づき唇を合わせたのは、その一連の流れが終わってから気がついた。一気に全身の熱という熱が顔に集まって、爆発しちゃいそうなくらい、熱くなった。
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