第43話 遂に見つけたぞ!!

冒険者達から話を聞き、時計を確認してみると16時を指していた。


走れば街の門が閉まる前に、着くと判断したあたし達は、彼女達をおいて先を急ぐことにした。


門までは、1時間で着き余裕で間に合い、列に並ぶことが出来た。


改めて門を見てみると、日本の城跡にあるような物と作りが似ていた。


「次の者、前へ」


あたし達の番が回ってきた。


「身元が分かる物の提示を」


あたしは冒険者カードを出した。


「お前達、見かけん顔だな」


門番はカードを受け取り、確認すると眉をひそめた。


「西の大陸からの冒険者か、なに用でサツマに来たのだ?」


「通り道だっただけで、たまたまだ」


「そうか、問題だけは起こすなよ。何か起これば、お前達じゃなくとも、余所者が真っ先に疑われる恐れがある。早々に街は出た方が賢明だぞ」


「そうかよ」


あたし達は門を潜り、宿屋を探すことにした。


街中を歩いてみると、話で聞いていた通り、江戸時代の街並みだった。


服装も一般人が和服っぽい感じで、門番や警邏してる奴は、日本の鎧ではなかったが、それに近い形になっていた。


当の宿屋だが、露店で聞いたりと探してはみたが、泊まれる所が中々見つからなかった。


殆どが、満員か従魔お断りだった。


「中々ねぇな」


「時間も時間だしな」


ナガレは人間社会に慣れてきたのか、時間の概念が分かるようになっていた。


「ウ~ッ」


「·····zzz 」


シズクも心配そうに耳としっぽが垂れ下がっていた。


アカツキは疲れてあたしの腕の中で眠っていた。


「あと数件聞いた限りだと、あるみてぇだし、ダメだったらギルドで依頼受けてから外だな」


「我はどこだろうと構わん」


「クーン」


シズクは頭を擦り付けてきた。


結論から言うと、ちょっと高くついたが、最後の宿屋で泊まることが出来た。


まぁ金の問題はねぇからいいがな。


2泊分払い、もう夕飯は食べられるようだから、一旦部屋に向かった。


部屋を確認してみると、狭くはなかったが、学園都市で世話になった、『従魔と共に』程ではなかった。


女将の、もふもふ愛は偉大だな。


ただ入る際は土足禁止で、従魔用に足を拭く場所まであったのには驚いた。


アカツキを起こし、全員に【洗浄】をかけてから食堂に移動した。


食堂は殆ど埋まっていて、空いてるところに座った。


座る前に他の客が食べてる物を見て歓喜した。


宿屋を探しているとき露店も見たが無かったが、ここには念願のあれがあった。


米だ!


そう米料理があったのだ!


あたしは早速メニューを開いたが、異世界なので名前では見当もつかなかった。


だが、ここはそこの名物を頼むことにした。


ナガレ達の分も同じものを頼んで、待つこと数分で『お待ちどう』と、ここの女将が、料理を持ってきてくれた。


「これ、なんて料理だ?」


「おや、あんたら他所から来たのかい?これはコカ飯って言うんだよ。ここいらの名物って言ったらこれだね」


女将は説明を簡単に済ませると、早々と行ってしまった。


こ、コカ飯?····コカってなんだ?


パッと見、茶漬けぽい?


「これがシノブの言ってた米か?」


「ああ、色々な食い方があんだ。普通は米単品で他のおかずと一緒に食うんだ。コレみてぇにいろんな具を混ぜて食ったりもする。食い方は無限にあんだよ」


ナガレは『おお!』と感心し、スプーンを使って食べ始めた。


美味しかったのか食べるスピードが上がった。


「追加で頼んでいいからな。2人はどうする?」


先に食べていた、アカツキとシズクにも聞いてみた。


「くぅーん」


『同じの~』


「クーン」


ナガレに2人の分も頼むことを伝え、あたしも食べることにした。


最初の一口は茶漬けぽい?から、汁だけ飲もうと、どんぶりを傾けた。


味的に、コカってのは鶏なのか?出汁が効いてうまいな。


次に異世界で初の箸を使って、一気に掻き込んでみた。


あああああ!


米だよ米!!


この黄色いのは錦糸卵で、キノコに海苔まであるな。


無我夢中で食べ終わり、女将を呼んで、追加を頼んだ。


「おかわりしてくれるのは良いんだけど、お金大丈夫?別料金だけど?」


女将はすでに、5杯ずつ食べてるナガレ達を見て心配してくれていた。


「金のことなら心配いらねぇよ」


「そうかい。ならちょっと待ってな」


行こうとした女将を呼び止め、ナガレの分もついでに頼んでおいた。


ナガレは案の定、おかわりをしようとしていたから、頼んだことを伝えた。


アカツキとシズクを見てみると、2人とも満足そうにしていた。


シズクは場所的に出来ないみたいだが、アカツキに至っては、へそ天だった。


その後、あたしは久々の米ってこともあり、3杯食べ、ナガレは10杯食べていた。


コカが何なのか気になり、女将に聞いてみた。


「コカって言うのは、コカトリスの事だよ。あんた達は、冒険者なんだよね。もし、コカトリスの肉、持ってくることがあれば、その日のコカ飯は安くしてあげるよ」


女将は笑いながら、行ってしまった。


部屋に戻り、ナガレにコカトリスが、どんな魔物か聞いてみた。


「コカトリスってどんなんだ?さっきの肉、食った感じだと鳥系だと思うんだが、強いのか?」


「いや、人間の基準ならEランクの魔物だ。それと、シノブが言ったように鳥だ、小さいがな」


ナガレの身振り手振りで、ニワトリだと予想した。


「とりあえず明日、冒険者ギルドでコカトリスの依頼でも·····って思ったが、あたしらBランクだから受けられっかわかんねぇな」


「明日行って決めれば良いだろ」


ナガレのおっしゃる通りと納得し、みんなで風呂へ向かい、毎度の楽しみ、ナガレ達とのスキンシップを楽しんでから、部屋に戻った。


「毎回、靴を脱ぐのが面倒だ」


あたしがアカツキとシズクの足裏をタオルで拭いていると、ナガレがぼやいていた。


「あたしの故郷はこれが当たり前だったぞ」


笑ってやると『これもシノブと一緒にいるためだ』と嬉しいことを言ってきてくれた。


「ナガレ、ここだと狭いから寝るときは、そのままで頼むな」


ナガレは一瞬無言でいたが頷き、服を脱ぎ出した。


「なんで脱ぐんだ?」


「寝るときくらいは、ラフな格好が良い、それにシノブもこの方が良いだろ」


さっきも風呂場でガン見してたが、何処で見ても素晴らしいのには変わりがないため、お礼を言うことにした。


ありがとうございます!!!


それは見事な90度のお辞儀だった。

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