第2話 転生からのステータス確認

あたしは、彩芽と両親に別れを済まし、女神が作った空間へ戻ってきた。


あたしに気づいた女神が、最後の確認をするために、近寄ってきた。


「お帰りなさい。忍さん、そろそろ私の管轄する『ジオメトリア』に送りたいと思います。準備の方はよろしいですか?」


『ジオメトリア』それがこれから、あたしが転生する所か、一応、注意することとかねぇか聞いとくか。


「女神様、向こうでの注意した方がいいことってあったりするか?」


女神は顎に手を添え殊勝な顔で答えてくれた。


「そうですね······強いて言えば、人族が統治する国同士の、いざこざには関わらないことですね。例えば戦争です。国内でのことは、巻き込まれたりするかもですから、そちらは大丈夫ですよ。」


いつの間にか用意したのか、紅茶を飲み、女神は笑顔で付け足しを話してくれた。


「人族が統治する国同士のことに、関わらなければ、何をしても構いませんよ。」


あたしは、用意されてた紅茶を飲み、承諾したら、女神は『あっ』と何かを思いだし、アドバイスを付け足してくれた。


「そうそう、目が覚めたら【ステータス】と唱えて下さい。その時、言葉にしなくても大丈夫ですよ。自分の今の状態が、わかるようになっています。その後は森の中にいると思われます。目印を付けておきますので、北を目指してみてくださいね。」


どうやら【ステータス】の確認は゛あたし〝しか、できねぇみたいだ。


一般的には、神殿や冒険者ギルドなる施設で調べられんだってよ。


偶に【鑑定】スキルを持っている冒険者や一般人がいるらしい。


「それと、魔力の扱い方を教えします。【ステータス】を確認した後にでも試して見てください。」


あたしは、魔力の扱い方や他にも色々なことを教えてもらい、いよいよ転生の時がきた。


「長くなってしまいましたが『ジオメトリア』に送りしますね。」


「おう、頼むよ。色々世話になったな女神様。」


「いえいえ、こちらこそすみませんでした。忍さんが無事に戻ってくるのを心からお待ちしております。」


女神は慈愛に満ちた笑顔であたしを見送り、忍の意識は徐々に途切れていった。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


植物と土の匂い、木々の葉が擦れる音であたしは、目を覚まし身体を起こした。


周りを見渡すと見事に森の中だった。


あたしは、身体の具合を確かめ服装が変わってること、下を向いたとき白い糸のようなものが視界に入り、髪色も変わっていることに気づいた。


服装は黒で統一しており、上衣が膝くらいまで長いチュニックに革鎧を装備し、下衣は膝下までのハーフパンツに、頑丈そうなブーツを履いていた。


「おうぅ・・・マジか!?」


あたしは、改めて転生したことを自覚した。


黒髪だったのが白寄りの銀髪になっちまってんな。


服も特効服だったんだが、まぁ~目立つな、それはしょうがねぇ。


あたしは、近くの木を背にして腰をおろし、女神のアドバイス通りに、【ステータス】を開き確認したところ、目の前に半透明の液晶パネルが現れ、その内容に目を見開き、困惑してしまった。


 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


名前


:シノブ(結城 忍)


性別


:女(16)


種族名


:吸血姫(始祖)


種族スキル


:血操魔法 霧化 魅了 超速自己再生


:不老 変化 眷属化 状態異常無効


魔法


:隠蔽魔法


スキル


:身体強化 万能探知 威圧 収納


固有スキル


:完璧投影 言語理解


称号


:創造神のお詫び


:異世界からの転生者


 △△△△△△△△△△△△△△


おいおいおいおい!?簡単には死ににくい身体って言っていたが、これは絶対にヤバくねぇか!?なにより!不老?吸血姫??·········???


現代日本人なら馴染みのあるパネルで『吸血姫』をタップしてみたところ、説明文が表示され、一通り確認することにしてみた。


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


吸血姫


:女性型で特例を除いた序列最上位の存在にして、他の吸血鬼と違い、他者の血を摂取する必要がなくなり、たぐいまれない戦闘能力を誇る。


:吸血鬼は日光に当たると消滅してしまうが吸血姫、又は男性型最上位は消滅はせず能力だけが落ちる。


:弱点 光属性の攻撃


始祖


:始祖は、神が作った存在である。


:弱点である日光を克服しており、光属性の攻撃も他の攻撃と大差がなくなり、自身の戦闘能力も上がり序列によっては、ほぼ敵無しとなる。


血操魔法


:自身の血、又は死体の血なら想像通りに、操ることができる。


:魔力を込めた分だけ威力が上がる。


霧化


:魔力が続く限り自在に霧状になることができる。


魅了


:目があった相手を、思うがままに操り支配することができる。


:魔力量が自身より高いの場合は、支配することができない。


:解除した場合、操られていたものは、その間の記憶を失う。


超速自己再生


:即死以外の傷は魔力次第で瞬時に治す。


:スキルはON OFF可能


不老


:獲得した瞬間から身体の成長と老化が止まる。


変化


:動物に変化できる。


:部分変化も可能。


:自身の体積を超えるものには変化できない。


眷属化


:相手に自身の血を飲ませることで眷属にする。その際、眷属にした物は大幅に能力が向上する。


:相手の血を吸い付くすことで、吸血鬼にすることもできる。


状態異常無効


:あらゆる状態異常が効かなくなり、病気にもかからない。


隠蔽魔法


:様々な物を偽ったり改善したりできる。


:自身より魔力量が高い相手には看破される。


身体強化


:込めた魔力分だけ、身体能力が上がり頑丈にもなる。


:込める魔力は微調整可能。


万能探知


:あらゆる事情を探知できる。


:範囲は魔力量に依存する。


:スキルはON OFF可能


威圧


:魔物以外に対して有効たが、魔物には効果は薄い。


:込めた魔力より、魔力量が多い相手には耐えられてしまうが、少ない場合は恐怖状態になるか気絶する。(一定時間戦闘不能になる)


:込める魔力は微調整可能。


:対象指定可能。


収納


:生きているもの以外は、なんでも入る異空間。


:入れた物の時間が停止する。


:空間の広さは魔力量に依存する。


完璧投影


:直接見た、又は体感した魔法やスキルを、瞬時に覚えて使用することができる。


言語理解


:あらゆる言語を理解できるようになり、喋ることができるようになる。


創造神のお詫び


:魔力量∞


:身体能力向上


異世界の転生者


:異世界で死に転生した者


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


内容を読み終わり、あたしは木々から覗く空を見上げ、途方にくれていた。


いやいやいや·········死ににくい身体もそうだが、サポートにくれた能力も、想像以上にヤバいんだが!!


これ絶対に死がねぇやつじゃんよ!!


思案した結果、あたしは一週回って『まぁ~いっかぁ』と諦め、前向きにいこうと決めた。


なっちまったもんは仕方ねぇ、切り替えて魔力の練りかたの練習だな。


確か、腹の辺りを意識するんだったか?


あたしは教わったとおり、胸の辺りを意識し、暖かくなっていくのを感じ、この感覚が魔力と認識した。


認識した後は順調に進んでいた、全身に巡らせるように意識したり、各部位に集中したり、均等に分けたりと、滑らかに全身に巡らせることができるようになっていた。


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