第3話幸せ
その後の記憶はなかった。
けど目が覚めて隣に裸の彼と裸の自分を見て、だいたいどういうことをしたのか理解した。
起き上がり服を着ていると彼も起きた。
「おはよ。」
お互い体を混じえて初めて迎えた朝の言葉だった。
「冷蔵庫見ていい?料理得意だからあるものでなんか作れるよ」
彼にそういうと
「うん。彩奈ちゃんのご飯食べたい。」
そういわれ冷蔵庫を開くと、冷蔵庫の中はスカスカで唯一卵があったので卵焼きと棚にあったレンチンのごはんを温めた。
ご飯ができて一緒にご飯を食べているときだった。
彼が手を止めて口を開く。
「俺ら付き合わない?」
私は卵焼きを取ろうとしたが手が止まった。
「えうれしい。」
たしかに嬉しかった。けどすぐに''お願いします''そういうことが出来なかった。
そんな悩んでる私を見て彼は再び口を開いた。
「こうやって今美味しい卵焼きが食べれてるのも幸せだし、居酒屋で彩奈ちゃんとどうでもいい話しながら笑えるのもすごい幸せなの。彩奈ちゃんともっと一緒にいてもっともっと幸せになりたい」
私はここまで素直に言ってくれて嬉しかった。幸せにしてあげたいな。そう思えた。
「はい。お願いします。あ、でもそういえば私高校生のぴちぴちの十八歳だよ」
「え?!高校生なの!!!でも彩奈ちゃん可愛いからいっか!」
初めて本当の年齢を言ったのと同時に付き合うことになった。
彼は月曜日と火曜日が仕事の休みだった為、いつの間にか私も月曜日と火曜日は学校を休むことが多くなった。
彼は基本的連絡が遅い人だったからLINEよりも私は彼の家に行って遊ぶことがほとんどだった。
彼と付き合って一週間。
私は唯杏くんにくっつきながらベットで横になっていた。
彼はスマホで電子書籍を読んでいた。その本には見覚えがあった。
私がプレゼントで貰ったお気に入りの本と同じだった。
「私も同じの持ってる!その小説短編小説が何個もあるから面白いよね」
そういうと唯杏くんは嬉しそうに話し出した。
「そう!最近短篇小説ハマってるの!この本いいよね。特に四十三ページの''すれ違い''って物語好きなんだよね。」
その物語の内容は、出会うタイミングが早すぎて結婚まで行けなく、''出会うタイミングが大事''。というのが分かる話だった。
私は正直その物語が理解できなかった。
出会うタイミング?そんなのいつであっても好きでい続ければ結婚できるよね?タイミングなんていつ出会ったところで好きならずっと一緒にいられるでしょ。
そう思っていた。私は彼に
「私あんまりあの話理解できなかったんだけど唯杏くんは理解できた?
好きならいつ出会っても好きでいれるくない?」
彼の目を見て聞くと彼は笑って頭を撫でて
「彩奈ちゃんはまだ子供だなー」
そう言われた。
私は口をふくらませて怒っていると
彼はニコッと笑って
「彩奈ちゃんやっぱりかわいい。
今日どこかいかない?」
可愛いと言われドキドキしながら
「遊園地いきたい」
言うと
「いいよ行こっか」
二人で支度をして遊園地に行って思い切り遊んだ。
「私明日学校で朝早いから帰るね。」
お互い疲れてばいばいと手を振りながら改札の前で別れを告げた。
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